『外であ・そ・ぼ』

Nature Capture 炭焼き
「炭焼き大王」


<ドラム缶>

こんにちは、遊外王です。

たき火の匂いで冬が近い事を実感させられる季節となってまいりました。
これからは、サンマ(焼き魚)や焼き肉、が美味しい季節です。

せっかくの美味しい魚や肉をガスの火で焼くより「やっぱ炭でしょう!」。
そんな「炭」を自家製で作ってみるのも遊外のひとつ。

今回は、「グリル de ヤキイモ」に登場した「大王炭」を焼いてみましたのでレポートいたします。

<ドラム缶での炭焼き>

【炭焼き釜】

材質: ドラム缶(鉄製で充分) ステンレス製の方が耐久性はあります。

ステンレス製は値段が高いのですが、腐食に強い点がメリットです。

しかし、化学物質等を入れてあった可能性が高いため、中古を購入する場合には、何を入れていたドラム缶かを確認してから購入した方が良いと思います。

煙突はドラム缶に穴を開けて挿し込む形にします。

ドラム缶と煙突の接合部は溶接がベストですので、レーザーカッターや溶接機をお持ちでない方は、鉄鋼所等にお願いする方が良いでしょう。
図は釜の構造です。
遊外王家には溶接機があるんですよね。びっくりだなあ。(遊外部長)


ドラム缶は、煙突側を少々下にする様にして設置します。

ドラム缶の中には、側溝の蓋に使われる様な、網目のあるスノコを敷きます。

これを敷く事によって、焚き口からの炎がドラム缶の中全体を包む形になります。
ドラム缶の中の構造についての写真です。
ちょっと見にくい奥に見えるのが煙突です。
殿、大奥の煙突が見えます。(遊外部長)

【材料】

焚き口

18リットルのブリキの缶(一斗缶)を使用します。

せんべいや乾物を入れる缶であれば蓋がありますのでこれで火を消す際の蓋に利用します。

これの底を抜いて四角い煙突状にします。

蓋の出来る上部は外側、底をドラム缶側に向けます。

うちでは、鉄板を加工して開閉式の蓋のついた焚き口を作りました。
サイズは1斗缶とほぼ同等のサイズです。

煙突

風呂場の煙突(ガス釜の排気に使うもので充分です。)を使用します。

調達は、家屋の解体屋さんから廃材を貰えば安上がりです。

(工務店や建築関係の方に紹介してもらいました。)

煙突は、釜の出口から一旦下に下げてから上に向けます。

<木酢液(竹酢液)>


釜から出た煙が煙突を伝わって下に行き、冷やされて、木の成分と水蒸気が液体になります。

煙突の曲がり角には穴があけられており、この液体が下に落ちる様に出来ています。

我が家では、数百倍に薄めて散布し、アブラムシやハダニの駆除(殺虫効果はほとんど無い)に使っております。

一説には、水虫が直った人もいるとか。。。 匂いは、酢を薫製にした様な匂いです。

木酢液は、数日放置すると、3層に別れます。 上から、油分の層、木酢液の層、タール層で、実際に使うの真ん中の層の液体です。

数百倍~1000倍程度に薄めて畑に散布する事によって、害虫、ダニ等が寄らなくなります。

また、作物自体にも吸収されて病気に強くなると言われています。

【木、竹】

炭にする木は、ブナ、ナラ等の広葉樹を40cm前後にそろえて乾燥させます。
竹は、縦に4つ割りにして中の節を取ります。

(割らずに釜に入れると竹が爆発します。) ※ 竹は、釜に入れる前にあらかじめ金属の棒等で節を抜けば、そのままの形で炭になります。

竹は小さな竹でも火に入れるとパーンとすごいですよね。オたけビ、なんちゃって。(遊外部長)

【焼き方】

1)木の詰め方

木の詰め方は、ドラム缶の奥行きが1m以上ある為、縦に詰めると作業がしづらい事もあって、
現在は横に積み上げる様にして木を詰めております。

(縦に詰める: 木を地面対して垂直にならべていく)

木が見えない。相当、木をつけて見ましたが?(遊外部長)

2)焚き口を取り付ける。

木を詰め終えたら、焚き口となる一斗缶を入り口に置き、焚き口の両側にレンガを積み上げて行く。

この時、1段積み上げる毎にレンガの隙間に赤土を水で練った物をすり込みレンガ同士の隙間と焚き口とレンガの隙間を埋めていく。

レンガをドラム缶の高さ迄積み上げたら、
ドラム缶とレンガの隙間に赤土の粘土をすり込んで行く。
炭が高い訳だ。大変です。(遊外部長)

3)火を付ける
(約13時間~15時間程度) 焚き口に薪を入れ、火を着け、絶やさない様に薪を入れていきます。

最初の数時間は、黄色い煙が出て来ます。 その後に白い煙が出てきます。

この煙が薄紫色になったら、出来上がりで、火を消す作業に移ります。

4)火を消す

とにかく酸素がドラム缶内に供給されない様、隙間という隙間はふさぎます。

焚き口の蓋をして、隙間に泥を塗り込み、
その上に泥をかけていきます。

外側に付けた煙突を抜き取り、蓋をします。

注意点:

<密閉度>
火を消してからの密閉度が重要です。

空気の入る隙間が少しでもあると、
せっかく出来た炭が全て灰になります。


<冷やす時間>
火を消して煙突と焚き口の蓋をしてから炭を取り出す迄に充分な時間を取って下さい。

(通常で15時間~18時間と言われてますが、丸1日ぐらいは放置して置いた方が良いと思います。)
→ 時間が短いと、炭の中に火が残っている可能性がありますので、
袋等に入れて家の中に保管しようとは思わない方が安全です。

過去に一度だけ、袋毎全て灰になった事がありました。
この時は畑に置いておりましたので大事には至りませんでした。
お城が燃えなくて良かったですね。残り火はしつこいですからねえ。(遊外部長)


<皮の手袋>
作業は皮製の手袋を:
火を使いますので、火傷の危険性は充分にあります。
特に、昼間の焚き木の火や炭火は実際の温度がわかりにくいため危険です。
火遊びは怖いです。(遊外部長)

【釜出し】


今回の炭焼きは、煙突が途中で詰まり、
焚き口からの燃焼時間を長くしてしまったため、
焚き口付近の炭は灰になってしまいました。
(通常より20%~25%少ない量です。)

しかし、出来具合は上々で、炭同士をたたくと“キン”と小気味良い音がしています。
炭を叩く楽器もありました。(遊外部長)


ドラム缶1本で50kg入りの米袋3袋弱は出来ました。

火を止めるタイミングが早いと炭になりきれずに煙が出るものになってしまいますし、遅いと灰になる分が多くなったり、火持ちが悪くなってしまいます。

炭焼きは奥深いものです。。。
遊外道を極めつつある遊外王様でも、先はまだまだ奥深いのですね。(遊外部長)

ちなみに、良く出来た炭は、火鉢に使用しております。

また、煙が出る炭が出来てしまった炭は、バーベキューに使用しております。

尚、炭焼き釜は地中に埋められているので、写真はわかりにくい部分もあるとはおもいます。

わかりにくい部分が御座いましたら、メールにてご質問いただければ回答後、このページを修正していきたいと考えてます。

以上、炭焼きレポートでした。


11月5日 by 遊外王