『エコ菜園その1』

Nature Capture
「ガーデンシュレッダー」
「2002春」


<ガーデンシュレッダー>

こんにちは、遊外王です。

関東はここ2~3日最高気温が15℃を超え、暖かい日が続いています。

昨日歩いていたら沈丁花の花の甘いかおりがどこからともなく、漂ってきました。

温室の苗たちも順調に育ちはじめ、ポットへの移植が始まりました。
晩秋から冬にかけては、冬やさいの収穫とともに、春野菜や夏野菜の為に畑の大掃除がはじまります。

当然ですが、枯れた雑草は収穫後の茎や葉が大量にでます。

これを、焚き火で燃やしていたのですが、ここ数年、菜園周囲を囲む様にマンションや住居が建ち始め、畑で枯れた植物を燃やす事で、近隣の皆様にご迷惑をかける様になってきました。

(ビニールだけは燃えないゴミとして地方自治体に処分して戴いております。)
だからと言って、ごみとして廃棄するのも究極のエコロジーを追及している「遊外道」に反します。

そんなジレンマに襲われていた、ある日、大王様より「インターネットでガーデンシュレッダー」を調べる様にご命令が下りました。

まずは「インターネットでガーデンシュレッダー」が何物か?を調べる事からはじめて、やっと、大王様のお考えがわかった次第です。
余談ですが、社会人3年生の頃、シュレッダーにネクタイを巻き込まれ大変な思いをした経験があり、“シュレッダー”という言葉を聞くとなんとなく拒否反応を示してしまう自分に気がついてしまいました。

【ガーデンシュレッダーって?】

ガーデンシュレッダーとは、草木を粉々してゴミとしての減量を行う機械。

また、減量後のチップ化したものを積み上げ、堆肥にし土にリサイクルすると言う代物。

まさに一石二鳥のエコロジーです。

動力部:
大きく分けて、エンジン式と電動モータ式の2通り。

1)エンジン式は単位時間で処理できる量も多く、お値段も高い。

2)主にプロ向けの仕様のものが多く主に植木屋さん向けの機種が多い。

一方、電動モータ式は、実売価格¥29800~6万円前後、ターゲットはガーデナーや家庭菜園向け。

粉砕する対象:
樹木専用(エンジン式が主で植木屋さん等のプロが使うもの) 小枝・草用(電動モータ式で、庭木の手入れ、菜園の草むしり後の後始末用)

外観(現在使用しているもの)

【構造】

高速で回転する歯で草木をスライス、または叩き切る方法で粉砕する構造がほとんど。

草の投入口は真上になります。

写真でグレーの部分にモータがあり、回転歯は地面と水平に取り付けられております。

木の枝は写真左手の穴から歯に対して斜めに入る様になっています。

別の機種では、回転歯が斜めに取り付けられて、真上から木の枝を入れるものもあります。

回転歯


フードプロセッサーやジューサ/ミキサー等の歯を頑丈にした構造のものが多い。

かなり頑丈なV字歯と横歯です。

小枝の投入口


回転歯で削ぐ様(スライス)にして枝を切るため、
歯に対して斜めに挿入する形となっている。

写真のタイプだと、操作スイッチのある裏側に差込口があり、
そこから枝を入れる様になっています。

【選び方】

回転歯
枯れ枝等を入れた場合、かなりの力がかかる事が予想されます。

厚みの薄い歯ではすぐにダメになってしまう場合があります。

カタログなどで、雑草や野菜くずだけでなく枝が粉砕できるものを選んだ方が良いと思います。

出来るだけ歯の厚みが分厚く、しっかりと回転盤に取り付けられているものを選んでください。

モーターの力
スペックに載っていない事が多い。

但し、消費電力がW(ワット)で示されていますので、これを判断材料の一つとしてみて下さい。

一般的にワット数が大きければ、それだけ力があると思って下さい。

手入れの簡単なもの
使っていて、厄介なのが回転歯に絡み付いてモータが止まってしまったり、良く切れなかったりするケースが多い。

その際にカバーを空けて歯に絡みついた雑草を取るわけですが、カバーの取り外しが簡単に出来ないものは困りものです。

安全装置のしっかりしたもの
カバーをはずしてのメンテナンスですが、何が起こるかわかりませんので、必ずコンセントを抜くようするのが鉄則ですが、つい、コンセントを入れたままカバーをはずしてしまう事があります。

1) スイッチを入れたときに歯が回転しないもの。

2) (切りくずを噛みこんで)モータが停止した時に過電流防止装置(ブレーカ)がついているもの。 この2つは最低限欲しい機能です。

【効能】

野菜くず、雑草や、木の枝(直径4cm未満)などは数センチのチップに粉砕できます。

<エコステップ1> 「ゴミの減量」
かさばる木の枝や葉等は粉砕する事により、顕著な減量が出来ます。

<エコステップ2> 「堆肥として使用」
単なる、減量では究極のエコロジーとは言えません。あくまで、ゴミゼロが到達点です。

木の葉や草の表面には人間の皮膚に相当する皮があります。
この皮が腐葉土への過程を遅らせています。

木の葉を粉砕する事によって、この表皮の部分のセルロース質が破られ、より早く発酵するものと考えられます。

枝も生木だと、内部に腐敗を防ぐために自分自身で表皮の雑菌を殺す役割の物質を作っているとの事で、砕く事でその効果が薄れることと雑菌に触れる面積が広がる事でより早い熟成が出来るものと考えています。

<エコステップ3> 「苗床の暖房」
エコステップ2までで、ゴミ問題は解決しますが、発酵で発生する熱を捨てるのは勿体無いのでこの熱を苗床の暖房として使用します。

米ぬか+尿素+藁くず等を混ぜて積み上げ、水をかけ発酵が始まれば30℃程度となります。

これを温室の中でやれば、昼間は太陽熱、夜は発酵熱暖房で苗床として活用できます。

但し、自然に左右される分があるため、電気を使うよりこまめな管理が必要になります。

【手入れ】

使用後の手入れは、回転歯を歯ブラシの様な物で掃除するくらいです。
1) 雨のあたらない場所に収納する。

2) 回転歯の状況を見てから作業を開始する。うちでは5回から6回程度使用したら、磨いで使っています。 予備の歯を購入しておくのも一つの手でしょう。 

また、予備の歯が無いものは使い捨てを覚悟しなければなりません。

【使用上の注意事項】

【使用上の注意事項】

①着用するもの
手袋着用(皮製)で少し厚手の作業手袋を着用
回転歯の力は結構強く素手や軍手では、柑橘系の枝のとげなどで手を怪我してしまいます。 少し厚手の皮手袋を使用した方が良いでしょう。

ゴーグル
粉砕するタイプのものは細かなチップになったものが時折飛び出してきます。

マスク
生木や雑草の場合には問題が無いのですが、乾いた雑草(根付き)の場合には砂埃が立ちます。 マスクなどで口や鼻を保護しないと、ほこりを吸い込む事があります。

スキ、カヤ等のイネ科の植物は完全に乾燥させないと回転歯に絡みつきモータを止めてしまいます。

モータは考えていたより強いものがありますので、お子さんのいらっしゃるご家庭では、使用しない時は、簡単に電源を入れることが出来ない様な場所に格納する事が良いと思います。

曲がった枝は、曲がった所から切らないと、入らない場合があります。

石は小さいものでも回転歯に影響を与えます。
落ち葉かき等で集めた木の葉は、一度目の粗いフルイ等で砂や小石や砂を取り除いてからシュレッダーにかけた方が良いでしょう。

【反則技】

牡蠣の貝殻の粉砕
自家採卵用の鶏を飼っていますが、近所の小料理屋さんから出る「牡蠣の貝殻」を戴いて与えております。 (以前はハンマー等で叩き潰していたのですが、思った様には行きませんでした。) 

ハマグリの様に硬い殻ではうまくいきませんが、牡蠣だと丁度良い具合に粉砕してくれます。 完全な反則技だとはおもいますが、ゴミのリサイクルには役立っております。

とりあえず、曲がった枝やイネ科の植物では若干の不満はありますが、「燃やさない」、「捨てない」、「無駄にしない」という点でいまのところは役立っております。

ここで一言「ゴミも砕けば、リサイクル!」

以上、「ガーデンシュレッダー」のレポートでした。

2月24日 by 遊外王