『鳥との知恵比べ』

Nature Capture 「菜園の防御」
「鳥達の習性」


<今年のトマト>

こんにちは、遊外王です。

菜園バーベキューから、1週間が経過しました。
「梅雨にさよなら」 したからでしょうか?
今週末も晴天から始まり、日曜日はちょっと雲が厚いのですが、何とか持ちこたえました。
天気図を見てみると、梅雨前線は居座ってはいますが、今年の梅雨は夜に雨が降ることが多いせいからか、どうも梅雨と言う気がしません。
日焼けが怖い梅雨の中休みになりそうな週末です。
梅雨が明けて欲しくもあり、しかし、真夏の日差しの中での除草作業を考えるとちょっと複雑な気持ちでもあります。
今回のレポートは、そんな菜園の話題でちょっと視線を変えてのレポートをしてみたいと思います。

<空からの侵入者>

ここ数年、鮎が近所の川で獲れたり、野生の狸が現れたりして、周囲に自然が戻りつつある様に感じていますが、それに伴って、野鳥達の種類と数も増えた様に感じます。
天候(風、雨、太陽、土)に左右される路地栽培ですが、虫、人間、そして鳥にも気を配らなくてはならない状態になってきました。
幸い、狸は雑食ですがどちらかと言うと肉系がお好みの様ですので、農作物は今のところ被害は出ていません。
最近増加してきたのが、鳥達による食害。
このホームページを開始するまでは、さほどでは無かったのですが、年々増加傾向にあります。
特に無花果は好物の様子で少しでも色づきはじめると果実(花)に穴が空けられてしまい、翌日には、皮すら残っていない状況になっております。

<犯人は誰?>


現在までに菜園で確認出来た鳥は、カラス、キジバト、スズメ、オナガ、ヒヨドリ、セキレイ、コゲラ、ツグミです。
左の写真は、菜園の地主さんのキュウリです。 地這のキュウリを栽培していますが、今日も2本程、鳥にやられています。
我家も当初は地這のキュウリを植えておりましたが、先月中旬に網を張って、仕立てる事に変更したため、今のところは被害がありません。
定植時には「地這」で考えていたのですが、葉が茂りすぎたため、急遽、海苔網に登らせた事によって、カラスの被害がゼロになった様です。 (これはうれしい誤算でした。) とうもろこしも、無残にもつつかれております。


従って、今年のとうもろこしは、ネットをかける間も無く収穫となってしまいました。
また、菜園の周囲にあるイチジクも 今のところ、全て、鳥達の餌になっています。

<調査>

鳥によっても好き嫌いがあるでしょうから、何を食べるのか調べて見ました。

<オナガ>
昆虫類: アブ、クモ、オカダンゴムシ
果実類: イチジク、ウメモドキ、カキ、クワ等の果実・木の実全般
野菜類: 特に確認されていません。
こいつがイチジク窃盗団の主犯格です。

<カラス>
昆虫類: カブトムシ、ケラ、コガネムシ等の虫全般
果実類: イチゴ、メロン、カキ、ナシ等、果実全般
野菜類: キャベツ、キュウリ、大根等の農作物全般
穀物・種子: 稲、大根(種子)、キャベツ(種子)等の穀物・種子全般
海産物: ウニ、カキ、カニ、等の甲殻類、魚介類全般
要するに、何でも食べますね。 そして賢い。

<ヒヨドリ>
昆虫類: アブラゼミ、クモ、蛾等の虫全般
果実類: さくらんぼ、ウメモドキ等の果実
野菜類: インゲンマメ、カリフラワーの葉、コマツナ等農作物全般
穀物・種子: 大根(種子)、キャベツ(種子)等の穀物・種子全般
こいつも、野菜と果実が好きな様です。
ブロッコリの葉にクチバシ型の痕を残していたのはヒヨドリではないかと思われます。

<キジバト>
昆虫類: ゾウムシ、カタツムリ等
果実類: さくらんぼ、ウメモドキ等の果実
野菜類: とうもろこし等農作物全般
穀物・種子: アズキ、稲、小麦、インゲン等の穀物・種子全般
穀物類の種を蒔いた後に注意しなければいけない鳥の様ですね。

<コゲラ>
昆虫類: アブラムシ、あり、芋虫等の虫全般、特に幼虫
果実類: カキ等の果実、木の実
野菜類: スイカ等の農作物 大勢で攻撃して来ないのと、虫を好んで食べてくれるので、コンパニオン・バードと呼べるかな?

<ツグミ>
昆虫類: 昆虫類
果実類: 山葡萄、りんご、ナシ等の果実、木の実
穀物・種子: 稲(青米)、家畜飼料等の穀物 こいつらも菜園の周囲の果実、特にイチジク、カキ、を狙っている中の1種類です。

<防御>

菜園では、これらの鳥達に以下の方法で対策を打っております。

<トンネル: ビニールまたはカンレイシャ>

種を蒔いたら、防鳥ネットやカンレイシャを使ってトンネルを作ります。
本来は、地温が高くなり過ぎないようにする目的のものですが、この時期の種まき後に別の効果が期待できます。
これにより、キジバトやカラス、その他の種を好む鳥達から防御が出来ます。
特に、落花生や大豆等の豆類は特に発芽直後の双葉の状態迄、カラスやキジバトの攻撃を受けやすいので、種を蒔いてから本葉が数枚出るまでは、防鳥ネットやカンレイシャは必需品です。

<防鳥ネット: 主に果物>

イチジクにはおそまきながら、防鳥ネットをかけました。

この留意点は、木の上側だけにかけるとカラスからの攻撃を避ける事が出来ますが、ヒヨドリやオナガが木の下から入りこみます。

よって、「実のなっている部分に鳥が入り込まない様、網で木全体を包む」事が重要です。

「紙で作った袋をかける」事でも防御出来ますが、手間がかかるため、我家では行っておりません。

<防虫ネット>

すいか畑の周囲は、約1.8mの高さでカンレイシャと海苔網で囲まれています。 (天井はありません。) これは、ここ数年間アブラムシ対策で行っているのですが、カラスやオナガ、ヒヨドリといった果実を食べる鳥達に何か危険を感じさせるものがあるのでしょうか? 被害は何年も出ていません。

<まとめ>

これまでの鳥達の攻撃を観察していて判った事ですが、いくつか効果的な対策がありました。
カラス、ヒヨドリ達の様な雑食性の鳥の被害を抑えるためには、

網目の大きな網が効果的であること
近所の地這いや篠竹等でキュウリの棚を作っている方の菜園ではカラスによる被害が出ていますが、キュウリ用のネットを山の形で張っている(屋根の様にして張る)菜園ではほとんどカラスの被害が無い。

囲まれた空間を作ること
すいか畑の周囲に張ったカンレイシャと海苔網ですが、天井が無い状態で鳥達には入りやすい環境であるにもかかわらず、被害がありません。
アブラムシ避けのネットで周囲を囲んだ事で効果が上がった様です、 「人工の構造物」であることと、「隠れる場所が無い」等の理由で彼ら(彼女ら)が警戒しているものと思われます。

鳥達も学習するでしょうから、いつまでこの状態が続くのか判りませんが、とりあえず周囲の菜園の被害より少ない状況で済んでおります。
これからも、鳥達との知恵比べが続きそうな予感がします。 以上

7月5日 by 遊外王