「フルサト」by ハイフェッツ
第33章 朝の空
(2007年5月23日)
前章からの流れで、私の娘の誕生について書きたいと思います。
2005年の8月のことでした。
その日、私は妻の実家を訪れ皆で食事をしました。予定日を一週間過ぎているので、今日あたりかな?などと談笑します。実家の部屋に設置済みのベビーベッドが、小さな主が来るのを今か今かと待っているのです。
食事後、妻と少し散歩へ。1kmほどをゆっくり歩く程度ですが。途中で妻が言います。
「少し違和感が・・・」
では戻ろうと。しかしその違和感もすぐに無くなり、「今日も兆候なかったね」。
その日は私は独り、ねぐらへ帰りました。
夜中の1時20分、妻の実家から電話。「これから病院に行きます」と。そして「少し時間がかかりそうだ」とも。私は朝一番で病院に行くことにしました。といいましても眠れるはずがありません。結局、朝の4時半に車で病院に向かいました。踊るような気持ちと心配する気持ち、どちらが強かったかな?この時点では母体を心配する気持ちが圧倒してたでしょうね。
車を走らせながら歌を思い浮かべました。残念ながら夏川さんの曲ではありません。フォークデュオ「紙ふうせん」の名曲「朝の空」(あしたのそら、と読みます)。
大阪地区にいらした方はよくご存知ですね。文字通り、朝の曲です。その歌を口ずさみ、眩しくも暖かい朝日を浴びながら病院の妻のもとへ疾走しました。
歌詞の通り、「Good Morning おはよう朝日」というすがすがしい気分でもありました。