「フルサト」by ハイフェッツ
第12章 水戸黄門漫遊記~りみ本島編
(2007年4月5日)
前編
水戸のご老公一行は江戸から遥か遠く、今回の旅の目的地である九州は薩摩の国に向けて出発しました。
薩摩国が実質的に統治している琉球王国より光圀のもとに届けられた蜜書によると、薩摩藩派遣の琉球代官が悪事を働き私腹を肥やしているとのこと。不正を質そうとした琉球国民は捕らえられ不当な重労働を負わされているらしい。このままでは王国内の不満が爆発し薩摩藩と戦争状態になる恐れがある、どうかご老公のお力で悪人どもを一掃してほしいとの訴えがこめられていました。
蜜書の差出人は琉球王国国王の一姫夏川里美。
薩摩までの長い道中では、水戸のご老公一行の動きを察知した薩摩藩の忍びの者たちが様々な妨害を企てましたが、助さん格さんや風車の弥七の護衛に加えて、水戸藩NO.1の女忍者おはるの暗躍により無事に国入りすることが出来ました。一行は薩摩藩の中にあって、不正を憂い正義感に燃える藩士笹岡真之介のもとに身を寄せました。
真之介の尽力と弥七とおはるの調査によりおよそ以下のことが判明しました。
① 藩派遣の琉球代官は薩摩藩筆頭国家老が兼任しており強大なる権力を有するため、藩主である島津忠英公であっても抑えることが難しい。
② 筆頭国家老は貿易で得た利益を自分のものとし、さらに琉球王国民に不当な重税を課し蓄財している。
③ 筆頭国家老は島津忠英公の暗殺を計画し、藩の転覆を目論んでいるらしい。
④ 筆頭国家老はサーターアンダギーが大好物で一日に20個を食す。
笹岡真之介邸にて作戦会議を行います。如何にして不正の証拠をつかむか。一行が頭を悩ませているとき、真之介のもとに妻が近づいて夫に告げました。
「お客様がお見えです」
「誰かな、こんな夜更けに」
「それが・・・」
妻は夫の耳にそっと告げました。真之介は驚きました。
「えっ!里美姫さまが?」