「フルサト」by ハイフェッツ
第16章 理髪店でのひとコマ
(2007年4月11日)
皆様、理髪店に不満はございませんでしょうか?
私は身なりには余り頓着しないのですが、散髪するときは気持ちよく、と考えています。いろいろな理髪店を探して歩いて、一時期はビジネスライクに早く安い1000円だか1500円だかの床屋であきらめたときもありました。でもやはり納得できずに再び探し始め、一年前のある時、ふと近所の小さなお店を見つけて入りました。とても満足しました。もう他のお店を探す必要はありません!
とうとう見つけました!私の理想の理髪店さん!
小さな、本当に小さなお店で、シートは1つしかありません。おばあさん(推定78歳)とお母さん(推定45歳)と娘さん(確定19歳)の家族3人でやってらしゃる。
何が私にとって理想かと申しますと、月並みですが(1)散髪が丁寧で仕上がりがよい(2)店の雰囲気が静かで落ち着ける(3)店員の方と快く接することができる、という点にあります。
といいましても、これは相性の問題もあります。私にぴったりだったのですね。おばあさんは、以前にNHK連ドラにもなった「吉行あぐりさん」をイメージしていただければ間違いありません。お母さんはとても素敵な方で、理髪師という職業からかご自身の髪はショートにしてらっしゃいます。笑顔も素敵です。何となくもっていらっしゃる雰囲気が夏川りみさんに似ています。夏川さんも年を重ねていけばこのような女性になるのかなというイメージです。
娘さんは昨年高校を卒業されたばかりで昨夏ごろより、散髪嬢としてデビューされましたが、まだ洗髪のみしか許されず見習い中です。でもおばあさんやお母さんのよさをしっかりと受け継いでおられて、とても心温まるサービスをしてくださいます。
お三人とも美人でらっしゃいます。
先々週、その理想の理髪店に行ってきました。客はもちろん私一人。今年1月より娘さんが別の床屋さんへ長期研修に出ておられますから、この日はお母さん一人です。
普段、きれいに整えられた店内には穏やかな音楽が流れていますが、この日は、私、リクエストしました。
「このCD流しながらでもOKですか?」と、名盤「南風」を差し出します。「もちろんです。かしこまりました。」
本当に丁寧で暖かな散髪をしていただいている間、夏川さんの歌と忠英さんのギターで心まできれいになります。2時間くらいかけて髪を整えてもらいますから、3回位繰り返したのでしょうね。時折、我が家族のことや見習い中の娘さんのことなどを話したりして、リラックスできた至福のとき。
最後にお母さんは、
「いいご趣味ですね。素晴らしい音楽を聞かせてもらいながらお仕事させていただきまして、ありがとうございました」と。
いえいえ、何をおっしゃいますやら。わがまま申してすみません。
りみ風がそよいだ春の理髪店でのひとコマでした。