展開した状態でペダルを回す
折り曲げていない状態でペダルの状態を試したいのだが、メンテナンス・スタンドは持っていないので前輪を家具の間に突っ込みリア・キャリアをテーブルに引っ掛けて後輪が回るようにした。
この状態でペダルを手で回して見ると、手には独特のグニャっとした抵抗感が伝わってくる。
そこで、我が家のキッチンバカリでどの程度、ペダルの動き出しに抵抗があるのかを計って見ることにする。ローテクだが一応抵抗具合が目で見えるので、どの程度の差があるのかを検証できる筈。
まず第1速は動き始めにロスがあって500gを超えたところでペダルが動き始め、後輪が回るのには900g程度の力が必要なことがわかる。実は体感的には、この900g位の力が常時ペダルにかかっている印象があって、引きずり感につながっているものと思われる。ギア比からいけば一番軽く動かなければならない筈の第1速が一番重いという現実。
第2速は350gを越えたあたりで動き出した。
第3速は400g程度。第4速も400g程度。ただし、3,4速に関しては走行中は車輪が転がっているのでペダルは添えて回している感じであり、あまり引きずり感は無い。
第5速は動き始めに600g程度が必要だが、ギア比の関係で重いだけで走行中には、さほどの違和感は無い。
何故第1速が重いのかという疑問に、音を聞く限りはジャラジャラと変速機の中で余計なギアが無駄に回っているように聞こえるので、音で分析してみたら何か発見があるかもしれないと、音に集中して調査を開始してみた。
手でペダルを回す場合は空回りで抵抗が少ないため、平均して回すのが非常に難しい。それでも一応1速から5速までの音を録音することが出来た。録音はビデオではなく録音専用のボイスレコーダーを使用して別に録音した。1速だけはカリカリというギアの音よりも、ウーンというちょっと違う音がしている。
ソフトで分析してみよう
音を分析するにはSonic Visualiserというフリーソフトがあるので5種類の音を分析してみた。声紋などを調べる専用の機械と同じような画面なのだが、一番の問題は私自身、画面の読み方が良くわかっていないということなので、画面から受ける印象でしか語れない。
一昔前だったら専用の大きな機械が必要だったのだろうが、現在は無料でソフトが公開されている。全てのものがこの調子で何でもパソコンやスマートフォンで出来るようになると製造業も大変な時代を迎えているなと実感する。
第1速
第2速
第3速
第4速
第5速
5種類の周波数の分析図を見ると、第3速と第4速は良く似ている。見たところ赤い3本のギザギザの線が横に並んでいて3つの音が鳴っているように見える。ギアの音なので横に真っ直ぐではないが大体3つの音に見える。
第2速に関しては少し乱れ気味になっているので判りにくいが、音は3つでは無く4つに見える。
第1速は横に5本か6本の音が鳴っているようで、その他に高音部にも余計なスリ音らしきものが最低2本はありそうだ。やはり余計なものをチンじゃら引っ張っているのではという疑念が湧いてしまう。
第5速も5,6本の音のほかに高音部もにぎやかな印象がする。乗車時には速度が出ているので5速に関してはあまり気にしなかったが、4速を使用していたほうが結果として疲れないのかもしれない。
結局、これだという結論らしきものは出なかったのだが、3速と4速は走りと同様に画面がスッキリしているなということが判った位だろうか。
スターメーアーチャーの5段変速ハブ
私は小さく折りたためる事だけは譲れないので、折りたためる事を思えば少々の内部抵抗など許せる事だと思う。5段変速が必要ないかと言われれば、やはり必要で坂道にはあったほうがありがたい。
それでも抵抗は気になるので、いかにもチェーンの動きが窮屈で回転に影響を及ぼしているのではないかと思える疑問のあった15Tのスプロケットを13Tに替えてみた。確かにペダルは重くはなったのだが、明らかにチェーンの抵抗は少なくなった。内部抵抗と思っていた半分以上はスプロケットとテンショナーの異常接近によるチェーンの動きにくさだったらしい。
というわけで1速と5速を除けば普通の3段変則並の抵抗になって今のところ快調である。