セキュリティ対策



大切にしている自転車ほど身から離すと心配になる。小さな部品は路上で調達というお国柄もあるらしいのだが、わが国でも盗難やいたずらは常に心配の種である。ブロンプトンの故郷ロンドンでもブロンプトンは折りたたんで出先に持ち込んで保管出来るというのが人気の一番の理由らしい。


それでも屋外にとめて置かなければならない場合もある。ロードバイクの様に乗ること自体が目的の使い方よりも、ブロンプトンは日常の中で使う自転車なのでお店にも寄れば生理現象だってある。あまり長い時間路上に置いておくのは避けたいが、たとえ短い時間でも愛車に何事も無いように準備だけはしておきたい。



防犯登録は実際にはあまり役には立たないように思われているが、普通の自転車だと放置されていて連絡が来たことが何度もある。防犯登録には製造ナンバーも登録されているので、もしもの時の重要性は間違いの無いところだと思う。


つながりとして他の自転車と区別出来るように車体に名前を書いておくのも手を出しにくくなる。般若心経のような文字を車体全体に書きなぐれば恐れ多くて誰も手を出さないだろう。落書きだらけの持ち去る価値の無い汚い自転車にしてしまえば安全なのかもしれないが愛するブロンプトンをそこまで貶めるわけにもいくまい。やはり持ち主を特定できる住所と名前だけにしておこう。


折りたたみ自転車の小さく折りたためるという長所は、誰でも簡単に持ち去れるという短所でもある。車止めなどにチェーンを4個もかけておけばワイヤーカッターを使う犯人も手こずるだろうが、こちらも一々面倒で仕方がない。私が現在使っているカギは「tate(タテ) AG70 フォールディングロック」で焼入れした鉄板状のためワイヤーカッターが利かない。値段も3000円ほどで実用的だ。値段も重量も考えなければもっと超強力なロックは複数存在するが、ほどほどの所で考えないと、小型軽量が長所の折りたたみ自転車が重い荷物になってしまう。心配ならこれにワイヤーロックを何個か加えて置けばリスクは減るのではないだろうか。


イタズラ対策


タイヤの空気を抜いたり虫ゴムを捨てたりする小さなイタズラの場合は簡単に再現出来るし、やられた側の被害も小さいため笑って済ませることも出来そうだ。しかし簡単に外せて無くなると非常に困るクランプ類に関しては防衛をする必要がある。


ブロンプトンには本体フレームとハンドルポストの2箇所にヒンジ部分があってそれぞれにクランプが付いている。このクランプはネジ式なので回せは簡単にネジもクランプも外れてしまう。ちょっとしたイタズラでこのクランプ部を外して持っていってしまわれると、もうブロンプトンには乗れなくなる。ブロンプトンのクランプ部は何処でも簡単に手に入るものでもないので、小さなイタズラの割には被害は大きい。そのため現在の折りたたみ自転車のクランプ部はレバー式を採用したものが多いのだが、ブロンプトンはガタが出にくいためだろうか今もネジ式である。


さてクランプ部を持っていかれるのを防ぐためにはネジの先端にストッパーを付けたいので、まずネジを長い物に取り替えなければならない。最初にネジの蝶ハンドルの部分をネジと分離する。蝶ハンドルを下にして上からトンカチでトントンとネジのお尻を叩くと黒い蝶ハンドル部分と中の六角ボルトが外れる。
ボルトの首下は60mm程あれば良いのだが、ホームセンターでは70mmしかなかったので少し切断することにした。



本体フレームのヒンジ部分には空間が十分にあるのでネジの先にナットを2つ付ければ簡単にストッパーになる。


ハンドルポストのヒンジ部分は内部が非常に狭く余裕が無いためストッパーにナットは使えない。そのためネジの先端に2.5mmのドリルで穴を開け3mmのネジを切る。


ネジ穴に3mmのネジを回し入れて余った部分を切る。切った所にマイナスドライバーが利く様にヤスリで溝を切る。最後に接着剤でネジが動かないようにして終了。これでネジを本体から抜くことが出来なくなる。



もしネジの黒いハンドル部分を破損してしまった場合はホームセンターで売っている六角ボルトの頭部分にかぶせて手で回せるようにした商品(フィットノブなどの商品名で発売されている)を使えばよい。


形状から蝶ナットのように人差し指でクルクルとはいかないがヒンジを固定する役目は十分に果たすだろう。値段も100円ちょっとなのでお手軽である。



もう一つサドルも持って行かれやすい物なのだがブロンプトンのシートポストは下部が膨らんでいて本体から抜けないようになっている。そのため工具がないとサドルも外せないため危険は少ない。それでもシートクランプのネジとレバーは手で簡単に回せるため無くなると立ち漕ぎしか出来なくなる。これはナットを一つ付けて締め付けておくだけで手では外しにくくなるので効果がある。どの部品もそこらで簡単には手に入らないものばかりなので大切にしたい。

そして最後に一番重要な事だがブロンプトンを置いておくなら人通りの多い明るい場所を選ぶ。住宅の話だが空き巣は人の目をとても嫌がるので窓などは塀や樹木で隠さず外から見える状態が防犯上重要だと防犯評論家が言っていた。

トイレにも一緒に入れる

愛車を外に置いたままトイレに入るのは心配なものだ。もちろん大の時の話なのだが、ブロンプトンなら折りたたんで一緒に個室に入れる。先日も駅前の多目的用トイレに後輪を折って立たせた状態のまま入室し、ゆっくり用を足すことが出来た。通常の個室でも完全に折りたためば入れる場所は多い筈。ローラーで自立するので衛生的にも有利と言える。床に置くのが嫌なら壁かドアに何かで引っ掛けてしまうのもアリかと思う。中途半端な引っ掛け方で脳天にでも落ちてきたらノーシントンになってしまうので引っ掛ける場合は充分に注意しよう。