新型サドルはお尻が痛い
台湾ブロンプトンには最初フカフカの気持ちの良いサドルが付いていた。デザインは思いっきりママチャリ風で愛情のわきにくいサドルだったので、新型のブロンプトンのサドルに付け替える事にした。
スポーティーなサドルになって見た目はスラリとなり、悪くないように思える。古いサドルに比べると硬いので下からの突き上げはきつそうだが、前傾姿勢が取れれば問題はなさそうだ。
新型のサドルはポジションを思いっきり前に出すことが出来、折りたたんだときにサドルが後ろに出っ張らず仕舞寸法上でも有利なものだったのだが。
この新型サドルに変えてから2時間も乗っているとお尻の一部が非常に痛い。最初は消化器系の具合が悪いときにおきるオデキかなと思っていたのだが、痛くなくなって乗るとまた痛くなる。オデキが持病になったのかと悩んだのだがどうも様子がおかしい。オデキ用の塗り薬の効き目もかんばしくない。
そこで見たくも無い腫れ上がった部分を鏡で良く見てみると赤い擦り傷のようになっていた。オデキではなく擦り傷だったのだが区別が付かないほど強い痛みは似ていた。
そこでサドルのどの部分が当たるのかを調べてみると黄色の丸で囲った部分に当たる場所が痛くなりやすい事を突き止めた。そしてこの部分は野球のボールの縫い目の様に少し出っ張っている上にギザギザ状なのでズボンが薄かったりすると特にすれやすい。お尻の形状は人によって違うので当たる場所は色々ありそうだが、この縫い目は形状的にとがっているので足を動かせばどこかが擦れてしまう。
時間がたてばサドルに慣れてくるという問題とは違う話なので、カバーをめくって中のウレタンを削って縫い目部分を丸くすることにした。
黄色の部分のウレタンをカッターで切り取った後に再度カバーをかぶせてみた。
世界でただ一つだけの珍妙な形のサドルの出来上がりである。写真は良く写っているが実際はウレタンが平均に削れておらず表面が波打っている。取りあえず試し乗りをしていみると当たりは随分改善されていた。しばらく乗ってみて様子を見てみようと思う。
そしてしばらく乗ってみた結果、やはり骨盤の下の左右の骨の先がサドルの広がった部分に刺さって痛い。医学用語で坐骨というらしい。おしりの肉を厚くするか、足を長くして前傾姿勢をとるか、ハンドル位置を低くするか、どれも嫌だったり不可能だったりなので、結局最後は元のダサいサドルに戻ることにした。この坐骨にやたらフィットする丸いカーブのサドルにも回り道こそしたが少しずつ愛着が湧いて来た。
その後、新型サドルの方も坐骨の当たる部分を削って丸みを持つようにしたところ、実に満足できる状態にすることが出来た。こちらが使えればサドルを前に出せて折りたたみサイズもぐっと改善できる。そして、この問題は回りまわって解決したのだった。
サドルの他にもう一つ痛いものがハンドルだろう。車輪が小さくサスペンションも無いブロンプトンでは小さな振動が手のひらにビンビン伝わってくる。M字型の柔らかいハンドルがショックを軽減しているという話もあったのだが、少しは効果があるのかな? 位のもので路面の振動はそのまま伝わってくる。
これに一番効果的なのはスポンジのグリップを使う事だ。つかんだ感覚が柔らかくてグニャグニャしているのを気にしなければ、ハンドルの振動はうそのように吸収してしまう。安くて軽いのもポイントが高いのではと思われた。スポンジに変えてから手の疲れがうその様に無くなったのだが、未だにつかんだ時のグニャっという感触には慣れないので少しストレスは増えた気もする。
それでも振動の無いサイクリングを体験してしまったら、もう硬いグリップには戻れない。