で、でかい! 遙か、まだ1kmくらいはあるかも知れないというのに、
この距離でもありありと分かる巨大さです。
うわー、でっっっかいっ! しかし、まだまだ距離がありすぎます。
ガス欠寸前であの巨大なシャチを追うのは無理か……。
痛恨の思いでスロットルをゆるめて唇をかみました。
と、そこへ、背後からボートのエンジン音が響いてきました。
アサリ超人師匠キースが、暇つぶしのボートドライブに通りかかったのです。
ナイス、キース、いいぞ、キース。
その場で碇をうち、文字通り自分のボートを乗り捨てて、キースの船に飛び移りました。
「なんだ、どうした、ゆき?」
「シャチ、シャチ、ほらあそこ」
再び潮が噴き上がって巨大な背鰭が浮上します。
「お、おおお、でぇっかいなぁ」キースでさえも驚いています。
「そうだ、子供達を連れてこよう」 え? えええ? 今すぐ追ってくれないの?
あ、あああ、行っちゃうよぅ。
自分のボートを乗り捨てたかいもなく、キースはそのまま子供達を迎えに家に帰っちゃいました。
あー、まー、しょうがないや。諦めました。
ぼくもホステルに戻ると、1時間も経ってから、お菓子やジュースをいっぱい買い込んだキース一家が「一緒にホェールウォッチングに行かない?」などと誘いに来ました。
ひゃー、のんびりしてるね、この人達は。
キースの妹のアイリスや、アイリスの子供のシャルビィもいます。
でも、やっぱりさすがにもう、シャチはいなくなっちゃってるだろうな、
と呆れかえりつつも、せっかくですから同乗すると、ありゃりゃ、
ホステルからでも見えるくらいのところで潮が噴き上がりました。
「戻ってきた! シャチ!」
近づいてみると、お父さんお母さん、それに子供1頭の家族でしたよ。
うわー、野生のシャチ、こんな風に見られるなんて。
それにしても、お父さんシャチは遠目にもホントに巨大、おっきい、凄い!
Indian family is watching killer whales
あさり超人師匠一家とオルカウオッチング
撮影日付: 2002/04/19
シャチの家族は3時間近くもその辺りを行ったり来たりしていたので、
子供達は飽きちゃってぐずり出すほど、たっぷりホェールウォッチングできました。
ぼくも途中で飽きて他の方向をきょろきょろ見回していたら、
岩場の影からアザラシがびびりながらシャチの家族の行方を見守っている姿などが発見できて面白かったです。
桟橋に戻ると、ストアのおやじが二階の窓から3年前の日記を広げて読み上げてくれました。
「1999年、4月18日。シャチが入り江に入ってきた。ダイニングルームからシャチを見下ろしながら昼飯を食った」
2002/04/19
このレポートはHummingbird International Hostelのユキ様より頂いています。