カナダからの手紙


hummingbird-hostel 【前略 ハミングバードホステルより】 リターンズ(1)
by ユキ 06/06/01


★ ハミングバードホステル、帰ってきました。 ♪ 君ぃにも、見えぇる、はみんぐばぁあどぉ   遠ぉく、離ぁれて、フローレスアイランドにひーとーりー ♪   (節、分かりましたか?)  ★

何はともあれ、わがホステル復活にあたっては、本誌アップサイドタウンの皆様にも多大なる協力をしていただいたこと、この場を借りて御礼申し上げます。
◇◇◇


さて、ホステルのほうは、きわめて順調な滑り出しをしました。去年、悪のインディアンに破壊されたトレイルも、その問題の悪者一味が全員トレイル関係から排除されたとの報告を受けて、急遽修復。

人気のフローレスアイランド古代トレイルとして復活を遂げました。さらにどうやら、BC公園事務所が、本腰を入れてトレイル整備に着手するような気配も見せています。

さて、その古代トレイルを、数日前に、日本の女子大生が歩いていきました。午後2時くらいにホステルを出発したので、まあ、5時くらいには戻ってくるかな?と思ってました。

それが6時になり、7時になっても戻ってきません。8時まで待って、まだ帰ってこないので、「マじかよ」とぼやきつつ、フルスピードで捜索開始です。

分刻みに暗くなっていくジャングルの中を、彼女の名を叫びながら疾走するも、発見できず。あたりはすっかり闇に包まれ、森には獣の臭いが充満してきました。

熊かな?オオカミかなぁ?べつに危なくはないけど、オオカミの群れに監視されながら、夜のジャングルを独り行くのは、気持ちのいいわけはないよね。

あの娘はどうしているだろう。 クーガーはここ数年この界隈に現れていないから、夜の森で動物にやられる、ということは心配しなくていいとは思うが、それにしても若い女の子が独りでジャングルで行方不明なのです。

心配するなというほうが無理だよね。

で、結局、彼女は翌朝、早朝からビーチで釣りをしていた地元インディアンのおじさんに連れられて、半べそをかきながら戻ってきました。

村まで1時間の分かれ道で、トレイルをひたすらひたすら、村と逆方向に4時間も歩いて、暗くなって帰ってこれなくなったらしい。そこまで離れられると、とてもじゃないけど、発見できなかったわけですよ。予想をはるかに越えてたもんね。途中の、今は使われていない山小屋のトイレで夜を明かしたんだとか。

徹夜で救援のための待機をしてくれていた友達のインディアンが僕に言いました。「ちょっと彼女に質問があるんだけどさ、通訳してくんない?」「え? 」 「一晩中トイレで座ってたんならさ、うんこいっぱい出ただろうねぇ、アハハ」

ぶふぅ!僕だって徹夜明けでへとへとなのにさ、噴出しちゃったよ。あとね、とても通訳できません。

このレポートはHummingbird International Hostelのユキ様より頂いています。