カナダからの手紙


hummingbird-hostel 【前略 ハミングバードホステルより】 リターンズ(3)
by ユキ 06/27/01


6月某日

向かいのインディアンの村の警察から無線が入りました。「これからYukiを逮捕しにいくから、どこにも行かないように身柄を確保しておくように」

ええ? うわ、なんだろう。 俺、去年、インディアン一人、ストリートファイトで完膚無きまでにぶちのめして、そのとき村の警察に逮捕されてるからな。
◇◇◇


いやぁ、今度俺、なにやっちゃったっけな? あれか? いやいやそれともあのことか? 心当たりがいろいろある自分が怖い。

しばらくすると警察の巡回ボートが、ホステルのまえの桟橋に横付けされました。「Yuki! へい、Yuki! Yuki!!」

お隣のジェネラルストアのおじさんが叫びながらホステルに駆け込んできました。 「おまえいったいなにやったんだ!」「いや、その、心当たりがありすぎて、どれがやばかったのかわかんないっす」

しぶしぶ警察のボートまで歩いていくと、顔なじみのお巡りさんたちがずらり。 「Yuki、これからの数時間身柄を拘束する。釣り竿を持って我々に同行するように」

つ……、釣り竿……。 「Yuki、こないだ日本人の女の子たちにずいぶんでかい魚釣らせたらしいじゃないか。今日は俺たちと勝負しようぜ」

みんなにっこにこ。ストアのおじさんも後ろで笑ってる。なんだ、みんなただ俺と遊びたかったのね。そうだよ、今じゃお巡りさんたちともみんな仲良し、みんなだいじなおっともだちだもんね。

いいよ、勝負しようじゃないの。 そのかわり、おいらがでかいサーモン釣り上げても「タイホする!」なぁんて、言いっこなしだぜ!

このレポートはHummingbird International Hostelのユキ様より頂いています。