カナダからの手紙
【前略 ハミングバードホステルより】
ハミングバードホステル(12)
by ユキ 05/09/01
都営大江戸線、青山一丁目の地上出口から、赤坂郵便局方面へ歩いていくと、そうだな、2~3分くらいかな、公園の手前にあるカナダ大使館にたどり着く。
道路に面した一階のロビーから入る建物は、BC州やケベック州などの政府観光局が入っているところなので、その横の、守衛が立っている後ろ側にある細く長いエスカレーターで上にあがると、そこが大使館の受付ロビーになっている。
◇◇◇
ビザの発給を行うビザセクションに行くには、そこからエレベーターに乗って、二階まで「下がる」。
エレベーターのドアが開くと、いきなりビザセクションのロビーになっているが、すぐに椅子には座らずに、まず順番待ちの整理券を発券機から取る。
ビザセクションはたいていいつも混んでいるので、このプロセスを忘れてポケーっと座っていると、気付いたときにはそれから何時間も待たなければ、なんていう事態にもなりかねない。
20~30分待って、ぼくの番が回ってきた。申請書、会社の登記簿のコピー、ビジネスプラン、ぼくがホステルを維持することによって得られる地元への経済効果…、などなど、必要書類を提出する。
すると、受付の係官は「このハミングバードホステルが本当に存在するという、確実な証拠は何かありますか?」などと言った。
「え? その会社の登記簿のコピーだけでは不足なんですか?」「そうですねぇ。これだけじゃちょっとわからないんで……」なんで?
「写真とかはないんですか?」
「ああ、ぼく、一年程前に同じ件で一回申請しようとしたことがあるんですけど、そのとき、写真やら広告やらいろいろ持ってきたら、申請のときにそんなもの持ってくるんじゃない、て怒られちゃったんで、今回は持ってこなかったんですけど。
そういうものは面接のときに持ってくるもので、申請の時は申請に必要と、こちらが指定したものだけにしろ、と。そのときなんかは、会社の組織図の書き方が違うとか、会社の登記がまだ済んでないとかいろいろで、申請自体、受け付けてもらえませんでしたけど……」
「広告とかあるなら、そういうものを持ってきてくれなくちゃ困るのよね。だって、これが本当にあるって、証拠がないじゃない」いや、だから、登記簿のコピーが…。
「あの、このあいだ、山と渓谷社の雑誌にも紹介されましたし、地球の歩き方というガイドブックにも掲載されているんですけど」
「だから、そういうのを持ってこなくちゃ」だから、前にきたとき、あんたの同僚に、そんなの持ってくんな、て怒られたんだよ。
「あ、うちの広告じゃないんですけど、その、うちのホステルがある土地全体が売りに出ていて、そこのホームページのコピーなら今持ってますけど。ハミングバードホステルの名前も出てきますから」「じゃあ、それを証拠としてコピーを取らせてもらいます」
等々のプロセスを経て、すったもんだしたが、とりあえず申請だけは受け付けてもらえた。この時点で、一年前よりは進歩したということだ。が、はたして、シアトルの二度にわたる却下の判定をくつがえすことができるのか?
このレポートは
Hummingbird International Hostelのユキ様より頂いています。