和布刈観潮公園
トロッコ列車がトンネルに入るところで、しおかぜの道は山にぶつかって左折する。左手に駐車場を見ながらなだらかな坂道を登っていくと、眼下に和布刈観潮公園が見えてくる。
道が海岸に沿って右にカーブする場所に和布刈観潮公園への降り口がある。右から左への文字は戦前の名残だろうか。このあたりまではしおかぜの道らしく歩道も石畳風にタイルが敷いてある。
和布刈観潮公園への石段を降りていったところがノーフォーク広場で、ポツポツと釣り人の姿も見える。関門海峡の早い流れがぶつかる護岸の角だけに、関東なら隙間無く釣り人が並びそうな好スポットだが、釣り人が少ない。関東では日曜日などは日曜釣り師がどっとくり出すが、九州では釣りはわりと特別な人達の趣味なのだろうか。
ノーフォーク広場のシンボルはイカリのモニュメント。モニュメントの台座に関門海峡の地図が数種の色違いのタイルで描かれている。
ノーフォーク広場の名前の由来は、北九州市の姉妹都市である米国バージニア州ノーフォーク市にちなんで名づけられたという。
和布刈観潮公園を過ぎてしおかぜの道が右にカーブしたところで関門橋の美しい姿が目前に広がる。関門橋を眺めるなら、この辺りからが一番美しい橋の姿が望めるはず。
眼下には海沿いの歩道も見えて、こちらを通っても楽しそうだ。景色に関しては上の道のほうが周囲に入るものがあるだけ分がよさそうだ。
関門橋に近づいていくと門司側の橋脚の周りは行けるようになっていて、ここでも老釣り師が竿をたれていた。こんな場所でも割と自由に釣りが出来るらしい事に驚く。
関門橋の真下から対岸を見てみた。海峡が川の様に流れている様子が見える。橋脚の横に7階建ての螺旋階段つきの鉄塔があって屋上には手すりが付いてアンテナ状のものが立っている。これが何なのかは知る由も無いが、潮汐か防犯か何かを監視しているのではないだろうか。
門司側の橋脚の左手を見ると立石稲荷大明神の赤い鳥居が見えた。立石稲荷大明神の鳥居は山に向かって階段に沿って何段にも重なって立っていて、遠くから見ると赤い塊に見える。
関門海峡の潮の色の変化と、潮が川の様に流れているのが見えた。まったりした太平洋の海しか知らないため、海峡そのものをあまり見慣れていない私は、こんなちょっとした景色にも結構過剰反応をしてしまう。