ここからはレポートです
獲れすぎたアサリはどうしよう
海岸の近くに住んでいる人なら今日の分だけ獲って帰ろうなどと殿様のような言葉も出てくるが年に数度、遠くからやってくる人達はやはりここぞと頑張ってしまいアサリを獲りすぎてしまう。管理潮干狩り場なら超過料金を払えば漁師さんも喜ぶしそれで良いのだが海の公園のアサリは手加減しないで獲ってしまったら大変な事になる。
これはもしも余るほど獲りすぎたらの話として聞いてほしいのです。ちょっと苦しいですが本気のお願いです。
近所にあげると喜ばれるのだが
食べきれないアサリは砂を抜いて近所にあげると喜ばれるのだが自分の家だけで食べたい欲張り超人もいらっしゃる筈。
しかし欲をかきすぎてアサリを腐らせたりしたらアサリさまに申し訳ない。
そのような方達のために何とかアサリを保存出来ないか
研究してみました。
砂抜きを完璧にしたアサリは冷蔵庫に
砂抜きが完璧に出来たアサリは海水から出してお皿などに載せラップをかけておくと2,3日は新鮮なままで食べられますがそれでもアサリが余ってしまうほど獲りすぎたらどうする。よし、それでは冷凍保存に挑戦だ。
冷凍させて頂きます
砂抜きを完璧にしたアサリを冷凍用のポリパックに殻のまま入れます。もちろん水は抜いて中の空気も抜きなるべく真空状態にします。
アサリも生きているので冷凍庫に入れるのは深く考えると可愛そうな気もするのだが、熱湯に入れるのも同じ様なものなので深くは考えない。
腐らせるよりは良いでしょう。
暑さにはからきし弱い貝であるが、寒さには驚く程強く冷凍しても数日生きているという説もあり今後、調査してみようと思います。
後日、冷凍24時間後のアサリを解凍、塩水に浸けたところ全員死んでおりました。
やはり、コチコチに凍らせたら生きては居られないと言う事です。
冷凍1ヶ月後のアサリの様子
1ヶ月間冷凍していたアサリをお味噌汁にしました。口を開けアサリくん。
生からよりは強く煮ると口が開いてきました。
いい感じですが、中には開かないでがんばっているアサリもいます。
しばらく煮てみましたがやはり開かないのが1割はいますね。
ともかくこれでお味噌汁にしました。
味は獲れたてとは違いますが美味しくいただけました。
下の実験の項で詳しく説明しますが、必ず凍ったまま煮ます。
自然解凍は厳禁です。
アサリ以外の貝は剥き身にして冷凍庫に
バカガイ、シオフキ、カガミガイは剥き身にして砂を洗い落とした後冷凍用のポリパックに入れて冷凍します。食べたい時に出して料理に使います。一度茹でたとはいえ生物ですので、そのまま生姜醤油はお勧めできませんが、グラタンや串焼きなどでしたらとても美味しくいただけます。
カガミガイの冷凍レポート
先週の金曜日(2000年8月18日)に、釣りに行くための氷を作成するために、冷凍庫の中身を整理して いたら、50個程のカガミガイが出てきました。例の(4月22日に)パンチUFO氏と の潮干狩りの日に採取したものです。
冷凍焼けで食べられないかと思いましたが、さにあらず、解凍した姿は、4月23 日の姿そのものでした。早速、砂肝を取り、醤油、酒を使って茹で、湯で汁とかが み貝で「カガミガイご飯」を作ってみました。
帆立飯に近い味わいで、あさりとは違った風味の「貝飯」となり、串焼きよりヒット いたしました。また、冷凍調理法の効果は抜群で、50個をさばくのにたいした時間はかかりません でした。
来年は、串焼きより、貝飯を考えたカガミガイ掘り(大き目のやつしか捕らない)を決意しました。(by カガミガイ超人)
冷凍保存の何故について
冷凍アサリの口を100%開ける方法。この事について神奈川県在住の松下義文様より情報を頂きました。
100%冷凍アサリの口を開ける方法を書きます。
ものの本(魚と貝の料理・出版社S実用シリーズ・1.950円)の、236ページにこうあります。
「凍ったまま加熱すると貝の口が開きにくくなるので、室温にしばらく置くかポリ袋ごと水につけ半解凍して調理」と有り、実践したのだけれど、全くだめ。
半分開いて残りは開くけど隙間が5mm~10mmとさんざんでした。
勿論全く開かない貝が2割はあったよう。
そこで、普通、生のアサリをみそ汁にする要領で水から調理してみました。
冷凍アサリをフリーザーからだし、直ぐ鍋に入れ水道水を注ぎそのまま強火に掛けます。
あら不思議、100%開くではありませんか!
勿論、貝の開く角度も申し分なく生のそれとソンショクがありません。
そのほかの料理はこの要領を利用すればいいだけ。
開く一歩手前を「生のアサリ」と考えてその後は普通に調理すればいいだけです。
この方法で、ボンゴレスパゲティーなど生アサリと、歯ごたえ、味、全く同じ。
(歯ごたえが少し劣るかも、プリプリ感が若干減るかもしれません)
是非おためし下さい。
by 松下義文
この事で重要な事は、いずれにせよ貝は解凍しなければ食べられない訳ですがものの本(魚と貝の料理・出版社S実用シリーズ・1.950円)の、236ページにこうあります。
「凍ったまま加熱すると貝の口が開きにくくなるので、室温にしばらく置くかポリ袋ごと水につけ半解凍して調理」と有り、実践したのだけれど、全くだめ。
半分開いて残りは開くけど隙間が5mm~10mmとさんざんでした。
勿論全く開かない貝が2割はあったよう。
そこで、普通、生のアサリをみそ汁にする要領で水から調理してみました。
冷凍アサリをフリーザーからだし、直ぐ鍋に入れ水道水を注ぎそのまま強火に掛けます。
あら不思議、100%開くではありませんか!
勿論、貝の開く角度も申し分なく生のそれとソンショクがありません。
そのほかの料理はこの要領を利用すればいいだけ。
開く一歩手前を「生のアサリ」と考えてその後は普通に調理すればいいだけです。
この方法で、ボンゴレスパゲティーなど生アサリと、歯ごたえ、味、全く同じ。
(歯ごたえが少し劣るかも、プリプリ感が若干減るかもしれません)
是非おためし下さい。
by 松下義文
冷蔵庫の下でゆっくり解凍するか、室温で解凍するか、
解凍せずに水から又はフライパンで直接調理するか、
お湯から急速に解凍調理するか等、幾つかの方法が考えられます。
そして改めて詳しく実験してみる事にしました。
アサリの解凍調理実験
失敗例:室内で3時間自然解凍 室温23度完全に解凍されています
自然に解凍するとアサリの口が15度から20度位開きます。
その後加熱、調理を開始します。
水から煮る
水を鍋に入れてアサリをお味噌汁用に水から強火で煮ます。
最初の自然に解凍した時と全く同じで煮ても開きにまったく変化無し。
お湯から煮る
煮立ったお湯にアサリを入れお味噌汁用に強火で煮ます。
最初の自然に解凍した時と全く同じで煮ても開きにまったく変化無し。
蒸す
オリーブ油でにんにくとタマネギを炒めます。その後日本酒と水を加えてアサリを入れ蓋をして強火で蒸します。
最初の自然に解凍した時と全く同じで茹でても開きにまったく変化無し。
室内で自然解凍するとアサリはわずかに口を開くだけで煮ても茹でても全く改善されません。それに、無理やり開いて食べても貝柱が2本貝殻にピッタリ張り付いて食べるのに非常に骨が折れます。
つまり、ゆっくり解凍すると貝柱と貝殻がしっかり接着した状態のまま解凍されるようです。
全然口は開きません。
失敗例:冷蔵庫の下で5時間自然解凍
完全には解けずゼリー状
冷蔵庫の下で解凍しても、やはりアサリの口が15度から20度位開きます。加熱、調理を開始します。
水から煮る
水を鍋に入れてアサリをお味噌汁用に水から強火で煮ます。
最初の自然に解凍した時と全く同じで煮ても開きにまったく変化無し。
お湯から煮る
煮立ったお湯にアサリを入れお味噌汁用に強火で煮ます。
最初の自然に解凍した時と全く同じで煮ても開きにまったく変化無し。
蒸す
オリーブ油でにんにくとタマネギを炒めます。その後日本酒と水を加えてアサリを入れ蓋をして強火で蒸します。
最初の自然に解凍した時と全く同じで茹でても開きにまったく変化無し。
冷蔵庫の下でゆっくり解凍してもやはり口は開かず煮ても茹でても同じです。
やっぱり口は開きません。
そしてこれしかない!!
冷凍庫から出してすぐ凍ったまま調理
凍ったままですので口は全く開かずに閉じたままです。
水から煮る
水を鍋に入れてアサリをお味噌汁用に水から強火で煮ます。
冷凍庫から出したアサリをそのまますぐに煮始めると通常よりは少し時間がかかりますが完全に口を開きます。10個の内、口を開かない貝が2個ありました。
(実験はアサリ10個と少量でしたので口が開きましたが、もっと多い場合は水温が上がるまでに時間がかかりすぎて口が開かない事も考えられます。)
お湯から煮る
煮立ったお湯にアサリを入れお味噌汁用に強火で煮ます。
冷凍庫から出したアサリをそのままお湯に入れて煮始めると通常よりはやはり時間はかかりますが完全に口を開きます。10個の内、口を開かない貝が1個ありました。
沸騰したお湯に冷凍アサリを入れるのがBESTと思います。
蒸す
オリーブ油でにんにくとタマネギを炒めます。その後日本酒と水を加えてアサリを入れ蓋をして強火で蒸します。
最初はオリーブ油でニンニクとタマネギを炒めます。日本酒と水を少し多めに入れた後ふたをして蒸します。水が多めなのは凍ったままのアサリを入れるため蒸して口を開くまで時間がかかるのでタマネギが焦げ付かないためです。完璧に100%アサリの口は開きました。
煮る場合でも、蒸す場合でも凍ったアサリをそのまま火にかけると口は完全に開きます。少し時間はかかりますが必ず開きます。幾つか開かない貝が出るのは仕方ありません。
レンジでチン これでどうだ
そして究極の急速解凍調理法
それは電子レンジだ
凍ったままですので口は全く開かずに閉じたままです。
急速に解凍すれば口が開くのであればこれが一番急速に解凍調理出来ますのでやってみました。
アサリの水分が飛ばないようにラップをします。
500Wでアサリ30個4分程レンジで加熱。
そして
それにしても見事に口を開いたものです。
ラップのせいで口が開かないものも幾つかありましたが、貝柱は綺麗にはがれていますので、単に押されて開かなかっただけと思われます。
この状態になったものを次の料理に使うと良いでしょう。
スパゲッティーとかサラダとか使いやすいです。
ちょっとつまんでみるとしょっぱーい。
後の味付けにはくれぐれも気をつけてね。
凍ったアサリに急に熱をかけると貝柱と貝殻が綺麗にはがれます。
理由はわかりません。
貝柱さえ貝殻と外れればアサリは口を開きます。
注:アサリと水が多すぎると水から煮る時間が長くなりすぎ「ゆっくり解凍」と同じになってアサリの口が開きません。
アサリが多い時は、あらかじめ煮立たせてから冷凍アサリを入れるようにします。
教訓
凍ったまま急激に加熱調理するとアサリは口を開く。
すんごい威力ですよ。松下さん。
潮干狩り超人仮説発表
何故凍らせたのにアサリは口を開くのか
昔、親から口を開かないのは死んだアサリなので食べるなと言われましたが、
どうも違うようです。
冷凍したアサリはすべて凍え死んでいるので、
その説ですと、すべて口を開かないと言う事になります。
しかし、殆どのアサリは急に熱を加えると口を開きました。
何故、ゆっくり解凍と急速加熱では貝の開きに決定的な差が出るのか。
考え始めると寝れなくなってしまったので仮説を立てて見ました。
超人仮説その1
ゆっくり解凍すると貝柱が少し伸びますが端はしっかり貝殻に付いたままです。
貝殻は貝柱が無ければ自然に開くように出来ていますので
貝柱が伸びた分しか開きません。
その後、いくら加熱してもそれ以上開くことはありません。
いくら加熱しても接着が外れることは無いわけです。
カガミガイ超人の冷却調理法によると、カガミガイの話ですが
解凍をしすぎると又しっかり口を閉じてしまうらしい。
これは、アサリよりもカガミガイの方がはるかに強力な体力を
凍って死んだ後でも持っている事になります。
アサリが自然解凍で小さく口を開いた後だと内外の温度差が生まれないので
いくら熱しても同時に熱くなるだけで接着は外れません。
アサリが生きている時のように熱くて我慢が出来ず貝殻を離してしまうのとは
違い、アサリは死んでいるのでいつまでもどこまでもくっついています。
死んでもしつこい奴。
超人仮説その2
凍ったアサリを急に熱湯に入れたり、レンジで加熱すると
貝殻の中は凍っているので0度以下ですが、貝殻の外は高い温度になります。
この、内外の温度差が貝柱の接着が外れる秘密と思います。
貝殻は凍っているものが急に温かくなるので伸びます。
中の貝柱はカチカチに凍っているのでその貝殻と貝柱の伸び率の差で
カチカチの接着がカチっと外れるのではと思うわけです。
ハハハハ、判ったぞ。
これからは冷凍アサリの口を全部
開かずんば開かせて見せよう、二枚貝
浅利開太
もう一度くれぐれも自然解凍は厳禁です。
備考
冷凍アサリを熱湯に入れて解凍。全部口を開かせたつもりが・・・
ややや、しぶとい貝が1つだけ。強く煮ても全然口を開きません。
おかしいなあ?と思ってよく見たら小型のハマグリでした。
アサリはまず100%上記の方法で口が開きますがハマグリは不明。
1つだけですので結論は出せませんが、殻が厚いせいか冷凍保存後の口開けには
もう、一工夫必要かも知れません。
もっとも、ハマグリが獲れすぎて困るという時代でもないし。
貝柱の不思議
口閉ざす二枚貝
カキやホタテなどの二枚貝が長期間、エネルギーをほとんど使わずに貝殻を閉じていられるのは、「かんぬき」の役目をするたんぱく質が働いているため―通信総合研究所関西先端研究センター(神戸市)の山田章さんや大岩和弘さんらが突き止め、米国科学アカデミー紀要に発表した。人間の血管収縮も似た仕組みとされ、血圧の研究にも役立ちそうだ。
タンパク質が「かんぬき」役
通信総研発表
二枚貝の貝柱は平滑筋と呼ばれる筋肉の一種でできており、この筋肉が収縮して貝殻が閉じる。筋肉が縮むには膨大なエネルギーが必要だ。このため、鉄棒での懸垂といった運動も長時間は続けられない。ところが、カキの貝柱は一ヶ月でも殻を閉ざしたままでいられる。こうした省エネ収縮のくわしい仕組みは不明だった。
山田さんらは、貝柱に含まれるさまざまなたんぱく質を精製して、働きを調べた。その結果、
人間の血圧研究に期待
ミオシンとアクチンというたんぱく質がくっついて筋肉が収縮する際、「ツイッチン」というたんぱく質が、かんぬきをかけるような働きをしていることをつきとめた。
「ツイッチン」はもともと線虫で見つかり、異常があると体がぴくぴく動く(ツイッチ)ことから命名された。
これまで、たんぱく質を繊維状に束ねる機能がある「パラミオシン」というたんぱく質が収縮状態を続ける働きをしているのではないかと多くの研究者が考えていた。
2001年5月28日(月)朝日新聞夕刊(原文)
口閉ざす二枚貝
カキやホタテなどの二枚貝が長期間、エネルギーをほとんど使わずに貝殻を閉じていられるのは、「かんぬき」の役目をするたんぱく質が働いているため―通信総合研究所関西先端研究センター(神戸市)の山田章さんや大岩和弘さんらが突き止め、米国科学アカデミー紀要に発表した。人間の血管収縮も似た仕組みとされ、血圧の研究にも役立ちそうだ。
タンパク質が「かんぬき」役
通信総研発表
二枚貝の貝柱は平滑筋と呼ばれる筋肉の一種でできており、この筋肉が収縮して貝殻が閉じる。筋肉が縮むには膨大なエネルギーが必要だ。このため、鉄棒での懸垂といった運動も長時間は続けられない。ところが、カキの貝柱は一ヶ月でも殻を閉ざしたままでいられる。こうした省エネ収縮のくわしい仕組みは不明だった。
山田さんらは、貝柱に含まれるさまざまなたんぱく質を精製して、働きを調べた。その結果、
人間の血圧研究に期待
ミオシンとアクチンというたんぱく質がくっついて筋肉が収縮する際、「ツイッチン」というたんぱく質が、かんぬきをかけるような働きをしていることをつきとめた。
「ツイッチン」はもともと線虫で見つかり、異常があると体がぴくぴく動く(ツイッチ)ことから命名された。
これまで、たんぱく質を繊維状に束ねる機能がある「パラミオシン」というたんぱく質が収縮状態を続ける働きをしているのではないかと多くの研究者が考えていた。
2001年5月28日(月)朝日新聞夕刊(原文)