海の公園でアカニシを獲ろう


アカニシの獲り方ビデオ

アカニシのポイントと足での取り方をビデオで紹介しています。
https://youtu.be/THnJ9tOxEq0

解説しやすいように浅い所で撮影していますが、実際にはもう少し深場の方がアカニシは沢山獲れる筈です。


令和に入って海の公園ではアカニシが増えてきました。アカニシはアサリを食べる貝で、漁業者的には外敵なのですが、アカニシ自体も食用として食卓に上ることも多い巻貝です。

アカニシには殻にシマメノウフネガイという小型の貝が寄生している事が多く、茹でると落ちて本来のアカニシが出てきます。


アカニシ(白い殻ヴァージョン)の殻の上に大型のシマメノウフネガイが乗っていてその上に中型、小型といくつものシマメノウフネガイがくっついています。アカニシの殻はギザギザがあるのでくっつきやすいのでしょう。

アカニシのポイントは何処

アカニシは海の公園では4月の中旬からボツボツ現れます。そして8月までは、楽しめるはずです。9月になるとどんどん消えていきます。まあ、自分で動ける貝なので、何処かに行ってしまうんでしょう。消息不明。


海の公園には沖合を中心にアマモが茂っています。アマモは別名「海のゆりかご」とも呼ばれる海藻で、様々な魚介類の幼少期に外敵から身を守ってくれる安全な場所で、海の生態系を豊かにし海の自然を取り戻す象徴とされています。
まあ、アサリの大敵アカニシの産卵もアマモに行われるので、アカニシが増えてきたのもアマモのおかげというか、アマモのせいなのか、そんな所です。


アカニシが多いのはそんなアマモの林の中でポッカリ空いたバンカーのようになった砂地、そしてアマモから砂地になる境界などに集中しています。


アマモではなくアマモに絡んだ木切れに植え付けられたナギナタホウズキと呼ばれるアカニシの卵塊。鮮やかな黄色なので水中でも見つけやすいのですが、このナギナタホウズキがあるとすぐそばに大抵アカニシがいます。しかも2個カップルでいることが多く、黄色の目印で2個のアカニシが手に入ります。


なんじゃこりゃ。ナギナタホウズキを産卵真っ最中のアカニシです。どこからこんなに出てくるんだという、冗談みたいな海の生物の不思議。



アカニシを足で獲る

アカニシは産卵期には砂の表面か潜っていても砂のすぐ下にいるので、裸足で歩いていれば、すぐにわかります。足が痛い場合はパンストを切ってはくと、アカニシも見つけやすいし、アカニシの殻が足に刺さることもありません。靴下では無理なアカニシ挟みもパンストなら楽勝です。
奥さんの伝線の入ったパンストを捨てずに取っておくことをお勧めします。


私はアカニシを見つけると足で獲ります。網だけを持って沖に出れるので身軽で楽しい潮干狩りになります。潮は引いてはいませんが。


こんな感じで足の指でアカニシを挟みます。


アカニシはアサリなどの二枚貝を殻の中に引き込んで食べるため、殻の口が大きく、これを利用して足の親指を殻に差し込むと簡単に足の指で挟めます。


アサリを捕食中のアカニシ。アカニシの毒牙にかかったアサリは救出しても持ち帰るのはお勧めしません。私の経験では、持って帰っても弱っていて砂をはきません。


アカニシは一つが大きいので40個も獲ると重くて大漁です。今のところ、海の公園ではアサリは一人2Kgまでですが、アカニシに関しては特に制限は無いようです。良識、常識、人として位に申し上げておきます。



アカニシを食べる


獲ったアカニシは水道水で流しながら表面を簡単に洗います。


簡単に茹でたら身を取り出します。茹ですぎると固くなるので茹ですぎ注意です。


中身はこんな感じになります。何か丸裸で恥ずかしい感じもしますが、食べれば一緒です。一番大きいのはツメタガイです。アカニシは円錐状に巻いていますが、ツメタガイは平らに巻きます。

サザエの代替品として使われていた事もあるというアカニシですので、ワタも立派にあります。食べる人もいますが、私は食べません。ワタの部分だけを外して流水で良く洗います。

身をスライスしてお刺身で食べるのが一番簡単で美味しいです。ワサビでもショウガでも両方いけます。


みりん醤油で佃煮風の味付けをしても美味しいです。ただ固くなるので、歯に自信がない人は無理かもです。


アカニシの名の由来は殻の内側が赤い事から呼ばれた赤いニシガイという事だそうですが、内側が赤くないアカニシもいます。殻の色も黒から白までいて青っぽいものもいます。

アサリの天敵ですが、美味しい貝ですのでアサリと一緒に獲って、楽しい潮干狩りにしてください。