干潟のアナジャコ捕り


色々悪戦苦闘したアナジャコですが、何とか安定した捕獲が出来るようになりましたので、映像ともども公開することにしました。
苦戦した理由は教わろうにも関東では筆で獲っている人があまり居ない事と、近年赤潮でアナジャコの数が減った事です。
東京湾ではアナジャコと言えば友釣りの人が多いのですが、やはり私は筆で獲るのが一番面白いと思います。


さて、使う筆ですが100円ショップに色々売っています。ただ使い勝手は随分差があります。つまりアナジャコとの格闘の際に差が出ます。
使うのは太筆でなるべく毛の柔らかそうな物を選びます。種類がある場合は、とりあえず一本ずつ買ってみてみます。太筆はアナジャコの穴の上で綺麗に開いて指先や人間の姿を隠してくれます。
柄はずん胴タイプと持つところが細くなっているタイプとがありますが、ずん胴のものは、穴に入れた際に自分で浮いてしまうので、細くなっているタイプをお勧めします。
毛の種類ですが、毛を匂ってみてケモノのにおいがする毛の筆があります。写真の筆がまさにそうで何度洗ってもケモノの匂いがします。私の経験上、まさにこれがアナジャコの闘争心に火を付ける必殺筆です。多分ヒツジの毛じゃないでしょうか。


筆には形を保つために糊がしっかり付いています。これを洗剤で徹底的に洗い落とします。乾いたらパラーっという感じで開くようにします。
糊が残っていると海水のなかで綺麗に開かず、アナジャコに嫌われます。


筆には形を整えるために糊とは別に根元部分に芯になる固い毛(線)が毛に混ざって含まれています。指で毛の上からトントンを叩いてみると、指先に固いものが刺さりますのですぐ判ります。この固い部分はアナジャコ獲りには邪魔ですので、一本一本爪きりで切っていきます。筆によっては100本近くあるものもあって面倒なんですが、収穫に決定的な差が出ますので頑張ります。


筆の柄の先には梱包用バンド(ダンボールとかをしばるのに使う。スーパーとかで転がっています。)を縛りつけます。これは、風で適度なアクションが筆に起こり、それがアナジャコを刺激すると言われています。確かにあると無いでは差が出る気もします。



さて干潟へ出てみよう


干潟の表面をジョレンで削るとアナジャコの巣穴が出てきます。でも今年は少ないですね。小さな穴も多いので今後に期待しましょう。


穴に筆を刺します。水が抜けるように川を作ります。川を作らないと水がよどんだままで、穴が良く見えません。


そして、待っていると

アナジャコは穴を作るのが得意中の得意。それだけに自分の巣穴に対する思いいれは強いらしく、変なものが落ちてきたりすると下から穴の外に出そうとします。
敵となれば余計ファイトが沸きます。
ただし結構弱虫なので強い相手にはカラキシですから、筆はその点でも十分弱そうなわけです。

沢山刺した筆の中でだんだん上に上がってくる筆があったらアナジャコがファイト中ですので、筆の柄をつかみます。アナジャコとやり取りをするのですが、ちょっと刺激したりしながら、だんだん上に誘います。
つよく刺激しすぎたり不穏な動きをするとアナジャコは下に潜ってしまいますので注意。

左手で筆を持ち右手でアナジャコをつかむものとして説明します。右手指の位置ですが、穴の上部に指3本を巣穴が続いている気持ちで若干差し込みます。
その指の間に筆の毛の部分が上がるまでアナジャコを誘います。アナジャコが毛と格闘しているときには、指先にアナジャコの手の固さがビンビン伝わりますので、毛先の間から固いものが十分感じられたら3本の指をスッとすぼめます。この段階でハサミ2本を掴んでいたら、だいたい大丈夫です。

干潟では足場が悪く、右手でも左手でも使える様に練習しておくと便利です。

さて説明よりも実際に獲っている所を見たほうが判りやすいと思いますので次をご覧下さい。


アナジャコを獲っているビデオを公開します。連続でジャンジャン獲れていますが、実際はそうは行きませんので誤解の無いよう。

右指の位置ですが、ビデオでは穴の上部に3本の指で囲いを作っています。

その他、少し固めの干潟でしたら、穴の壁の一部に人差し指を差し込んで壁の一部にして、人差し指にアナジャコを感じたら反対側の壁にハサミを押さえつけて獲る方法もあります。
アナジャコが上まで来なくても獲れますので有利な面もありますが、押さえつけてから外に出すまでが逆に大変になります。


アナジャコはヤドカリの仲間ですので前から見ると殻が無いだけで顔はそっくりです。


穴を掘って逃げようとするアナジャコ。


アナジャコの友釣りとは

東京湾でアナジャコを獲っている人の大多数はこれです。本物のアナジャコを使いますので相手の反応はファイト満々、筆の比ではありません。
オトリの尻尾に洗濯バサミを付けて穴に潜っても潜りきれないようにします。下の住民が追い出そうと上がってくると、オトリの方は後ずさりして上がってきますので、オトリの顔の先を3本指で囲みます。
下のアナジャコとオトリがハサミを使ってチャンチャンバラバラを始めたら、オトリ、エモノ共一緒に掴みます。
当然オトリは痛みますので、数匹で取り替える必要があります。
アナジャコは食べる前に真水で泥を吐かせないと泥が体内に入っている事がありますが、弱ったアナジャコは当然泥を吐きません。
私が見たところ、友釣りの場合3分の1は犠牲者が出ています。
アユに比べて呼び方は同じ友釣りでも、ちょっと割り切れなさの残る獲り方なんですよ。

他にも獲り方がありそう

アナジャコの獲り方は48手とも56手とも言われるほど、様々な獲り方があるようです。
私も、今考えているものがあるのですが、結構色々バカな事考えて失敗しているので、成功してから公開します。

でも、筆より良いとはとても思えないです。やはり日本の文化、毛筆を使うという事とアナジャコが痛まない究極の風流じゃないんでしょうかネ。