色々なアサリ


潮干狩りで獲るアサリはごく浅い砂浜にいるアサリです。
でも、アサリは10mの水深まで生息しています。

浅い場所に住むアサリは常に人間に拾われる危険をはらんでいます。
鳥にも狙われてとても危険です。
おまけに海水が引いたりして餌が食べられない我慢の時間もあります。

そんな事なら皆で深いところに引っ越せば安全ではないかと考えます。
ところが、深いところに住むアサリは大変な危険と隣り合わせなのです。
まず、ヒトデとタコ。
逃げ回れないアサリなどの二枚貝は彼らの良い餌になっています。
おまけに、貝の仲間なのに、
二枚貝に穴を開けて食べるツメタガイという敵もいます。

どれも、ジワジワと食べるやからで「ひとおもいにやっておくんなさい」
と言いたくなるアサリもいるはずです。

その点、人間はすぐ茹でちゃいますので
アサリにとっては苦痛は少ないかなと思います。


何処に住んでも危険がいっぱいの可愛そうなアサリちゃん。
でも美味しいのでやっぱりガツガツ食べちゃいます。

さて、同じアサリとはいっても干潟のアサリと水深のある場所のアサリには
違いがあるのでしょうか。

ハイ、あるみたいです。

きんのり丸さんによると成長の度合いがかなり違うそうです。
理由は簡単。

水深のある場所のアサリは常に入水管を砂から出し海水を吸って
含まれる有機物を捕食しています。
要するに、のべつまくなしに食いつづけている節操の無いアサリです。
このアサリを「ブロイラーアサリ」と呼ぶ事にします。

ところが、干潟のアサリは入水管を出して食事が出来る時間の次に
干上がった砂浜で殻を閉じてじっと我慢の時間が来ます。

つまり、食事、我慢、食事、我慢を繰り返しているわけです。
潮の加減ですので時には一日中食事が出来る日もあります。
でも、半日近く干上がってしまう日もあります。
このアサリを「おしんアサリ」と呼ぶ事にします。

「ブロイラーアサリ」は「おしんアサリ」より早く形が広く大きくなります。
少しつぶれ気味で平らに大きくなる感じです。

「おしんアサリ」の方は大きくなるのは遅いのですが
少し、ボールに近い丸いアサリになります。
丸いので中身が大きく思いますが一般的には
沖にいる「ブロイラーアサリ」の方が平べったくても身が大きく
美味しいといわれます。



ブロイラーアサリは広がっていくのが早い早い。グッ、グッ、グッ。


これは恐らく推測ですが
「おしんアサリ」は干上がった時間に我慢をするために
貝殻を丸くして身を守る必要があるのではないかなと思います。
海水などを少量ためておく隙間が必要なのかもしれません。
踏まれてつぶされるのを防止するためかもしれません。
かなりのエネルギーをこちらに使っている筈ですので
成長ではやはりハンディがあります。

その点「ブロイラーアサリ」の方は干上がる事は無いので
そのためのプロテクト機能は必要無いわけです。

ここで、もう一度よく考えてみると、
タコやヒトデは人間より美味しい沖のアサリを食ってますよ。
タコは私も食いまくっているのでまあ勘弁してやりますが
ヒトデって何か割り切れないですね。

でも、私は干潟の「おしんアサリ」が大好きです。
身は小さくてもすごい頑張り屋さんのアサリです。

自然の恵み、頑張っているアサリに感謝しながら食べたら
僕も君も頑張り屋さんになれるかも。



おしんアサリはおしんの様に丸顔で可愛くて・・・チャン!


となると岸よりでは「おしんアサリ」しか獲れないことになりますが
実は、管理潮干狩り場では沖の「ブロイラーアサリ」も浅瀬に撒いているみたいです。
そう、管理潮干狩り場では有明海産や尾張産の他
中国産や北朝鮮産のアサリも混ざっている可能性があります。
潮干狩りは色々なアサリが獲れて楽しいですね。

そんな事をいっているうちに、おとなりの野島海岸で獲れたアサリに真珠が入っていたとの大ニュース。
真珠は通常はアコヤガイで養殖するがクロチョウガイなどにも出来ます。
淡水貝もイケチョウガイやドブガイ等の大型の貝ばかりでアサリに真珠とは!!
新聞で見る限り真円で直径は4mm。
貝は異物を取り込むと真珠を作る事は良くあるらしいのだが
どんな大きさのアサリだったのでしょうか。
北海道には8cmくらいのアサリがいるらしいが。
あまりに大きさが違うので
本州のものと同じ種と断定してよいものか論争中とのこと。