カワイコチャンは何処ですか


昭和の三面記事

江の島片瀬海岸では毎年、海開きに海の女王コンテストが開かれる。
何しろ海の女王コンテストだから出場者はもちろん水着で
それも飛び切りの美女ぞろいなのだ。
通常、水着の女性を穴の空くほど見つめたら嫌らしいハゲ親父と
凍りそうな軽蔑の目で見られること必至なのだが、
この日ばかりはいくら見つめても誰もとがめない正常な行為なのである。

ちなみに海の王子コンテストなるものも現在あるにはあるのだが
やはりさっぱりオジ様方の興味は薄いのである。

この年の審査委員長は大島渚監督であったが、さすが名前が渚なので
まあこれ以上の適任者は居ないであろう。
しかし、1次、2次と審査が進む過程で、「今年はあの子で決まりだね。」
と衆目が一致していたA子さんが落ちてしまったのである。
「バカヤロー」って大監督のギャグでしたっけ。
「何処に目を付けているんだー」と誰もが思いましたよ。

最終審査にステージに並んだ面子を見て大監督ハッと気づいた。
ありゃ?A子さんが居ない。
調べ直すと手違いでA子さんの番号が落ちてました。
「○番さ~ん。○番さ~ん。
係りの手違いで○番が落ちてました。何処に居るんですか~。
○番のカワイコチャーン。」
大監督の海岸中に響きわたるスピーカーからのお呼びに
とっくに海に行って泳いでいたA子さん戻ってきました。
水に濡れた水着と濡れ髪も海の女王に相応しい。

皆の期待通り、海の女王はA子さんに決定。
間違いで一時は傷ついたかもしれぬが、何てったて君は女王だ。

逆に「すみません落ちてました」と言われる方がきつい。
こんな事はありそうも無いように思うが、つい最近も
パソコン当たりましたと何千通もメールを出して間違いだった事がありましたね。
入試でもありましたね。あれは仕方ないので合格にしたんでしたっけ。

2015年のミス・ユニバース世界大会で司会者のミスでグランプリが発表された後、真実のグランプリがフィリピン代表に発表され直すハプニングがありました。最初に発表されたコロンビア代表はティアラもすでに付けていて可愛そうでしたが、まあ準グランプリですから。

聴衆の談話:

びっくりしたなーもう。本命が落っこっちゃたときには暴れそうになっちゃいましたよ。
落ちたときも潔くて良い子だったなあ。あれ?クソ、隣に彼氏が。

2000年海の女王。
綺麗な方達でしょ。
文中とは関係ありません。

毎年7月20日にコンテスト開催。