
表参道の先には案内川にかかる高尾橋があり、渡った先が国道20号線の高尾山入口交差点。

国道20号線に沿って、高尾山口駅方向に歩いていく途中、今日始めての燃えるような赤に出会った。その先の赤は、すでに燃え尽きようとしていた。

目を横の山並みに移せば、傾きかけた陽の光に、山々が光り輝いていた。冬の陽は光と影の対比が激しく、山上は明るくても手前の家屋には、すでに夜が近づいていた。そういえば山の上にちょこんと乗っているのは、これから登ろうとしている月の白い光ではないか。

高尾山口駅前の交差点で左に入れば、朝来た京王高尾山口駅に出る。オーバーペースを警戒して8時間かけて、ゆっくり写真を撮りながら歩いた楽しい一日だった。高尾山に沢山ある石碑の文字や案内板を読むと、自分にある欲望や不遜の心が洗われ、小さくなっていくような気がした。気がしただけかも知れないが、何度も行くうちに本当に消えてしまうものなのかも知れない。そんな高尾山だった。