仏舎利塔



男坂と女坂の合流地点に仏舎利塔に登る道がある。南無百観音、愛眼千手千眼観音などの旗が並ぶ坂道を登っていく。

坂の上り口には石の立て札が立っていて仏舎利塔付近の案内があった。

有喜苑奉安


釈尊御真身佛舎利塔
修験道紫燈護摩壇
百観音御砂踏霊場
護国英霊碑
愛眼千手千眼観音
東京都八王子中央ライオンズクラブ
仏舎利塔入口解説板より



南無百観音などの旗がこちらにも並んでいる。もう少しで頂上の広場に着く。


上に登りきるとすぐに出会うのが愛眼千手千眼観音像で観音像の周りに千手が掘ってある。頭の部分には小さな頭と目が複数乗っている。

愛眼千手千眼観音像の横に献眼の碑がある。観音像の左手には実際に献眼された方達の御名が刻まれている石碑がある。

献眼の碑


千手千眼観音菩薩像は、目をつけた千本の手を持ち、沢山の目で多くの人を見守り、沢山の手で 多くの人を救おうとしている観音菩薩です
アイバンク運動は、目の不自由な人々に愛の光を贈り社会復帰を助ける運動です。死後 自分の目を失明した人達に差しあげる、その無償の行為をされた検眼者は菩薩とも言える人です。
東京八王子中央ライオンズクラブはメインの事業として、アイバンク運動を展開し3179名の検眼登録者を得48名の方が角膜を提供し目の不自由な方が光を取り戻しました。
本年結成30周年を迎え千年千眼菩薩像をアイバンク運動の象徴と考え、献眼された方々の冥福を祈り その崇高な行為を永久に称えるために心のふるさと高尾山に建立致しました
高尾山千手千眼観音菩薩像
東京八王子中央ライオンズクラブ
結成30周年記念建立
平成14年11月30日

千手千眼観音菩薩像横の石碑より



広場の奥に仏舎利塔が見え、その前面に根本道場と書かれた石で囲まれた道場がある。


修行道場につき一般の方の入場は御遠慮ください。当山
と書かれた根本道場。師子慧童子と阿婆羅底童子の2人を従えた飯綱大権現が中央に立っている。根本道場とは高尾山の修験道全体の事でこの場所のみを指している訳ではない。それにしても玉垣の中にある数本の石柱は何の修行をするためのものだろうか。場所の形状を見ると密教の火渡りの修行場に思えるが確証はない。


高尾山釈迦仏伝四相図があって左から
生誕、降魔成道(ごうまじょうどう)、初転法輪(しょてんぼうりん)、涅槃(ねはん)の4つの絵が描かれている。


百観音お砂場霊場


平成13年、当山32世貫首隆玄大僧正が発願し坂東、秩父、西国の霊場を巡拝し善男善女の御信助を得てこの「高尾山百観音霊場」 を歓請奉安致しました。
中心の仏舎利塔には、タイ国王室より伝来の釈迦御真身の尊き仏舎利が奉安されております。
皆様方にはご供養と平安を祈念しつつ巡拝されますようお勧め申し上げます。
大本山高尾山薬王院
高尾山仏舎利塔横解説板より



2人の幼児と乳飲み子を抱えた観音像の先が高尾山百観音御砂踏霊場。


坂東33箇所霊場、秩父34箇所霊場、西国33箇所霊場と3箇所の霊場を合計すればちょうど100箇所の霊場になる。ここを一周すれば全てを回って納経したと同様の御利益があるという事だ。


それぞれのお寺の御本尊を写した像が並び、その足下にはそれぞれの霊場の砂が埋め込まれている。



支那駐屯歩兵第二連隊 慰霊顕彰碑と書かれた慰霊碑。時代が下りすぎて記憶が生々しく少し辛い。


高尾山百観音御砂踏霊場を超特急で一周してみた。本来ならば一箇所ずつ心をこめて祈らなければならない。



仏舎利塔からの帰りの空には朱色や黄色の葉が成って、思わず紅葉の隧道を抜けていくことになった。


仏舎利塔の山から降りると茶屋の前にはベンチが並んでおり、何人かの人達がしばしの休息をとっている。この場所は左から男坂、右から女坂が合流する場所で薬王院への参道は正面の道になる。男坂から来た人達に待っていた女坂組が「遅いじゃないか。随分待ったぞ。」 とからかっていた。男坂組は悔しそうだったが、階段がある分近道というわけでもなく、距離的には同じようなもので、階段がある分息だけ切れるという印象。それでも元気な男は男坂で良いのではと思う。


「心のふるさと祈りの山 世界に冠たる高尾の自然」 と刻まれた新しい石碑。台座には「ミシュラン三つ星として世界に認められた高尾山の自然を後世に残す決意をこめて2009年’高尾山環境保全基金’ を創設しこのモニュメントを建立する。」とあった。


その先に今見た仏舎利塔への納仏のおすすめがあった。

高尾山仏舎利塔 結縁牌懸仏のおすすめ

今般、高尾山ではタイ国・王室より授けられた大聖釈尊の真身骨を奉安してある仏舎利塔の大改修が完了し、また仏舎利塔の周りを囲むように建立された百観音お砂場霊場が完成致しました。
御信徒各位には、この好機に釈尊との御勝縁を結ばれますよう仏舎利塔内に、結縁牌懸仏(けちえんはいかけぼとけ)をご納仏される事をお勧め申し上げます。
この結縁牌懸仏は夫々の御家族の先祖代々の供養の為に、あるいは講中、参拝団の物故者慰霊の為にお釈迦様を御信徒の皆様との尊い御結縁のしるしとして、霊名あるいは施主の御蓬芳名を刻み、仏舎利塔内壁面に奉安し、大聖釈尊の聖骨と供に幾久しく供養されるものであります。
■御納仏冥加料一体 壱拾萬円也
懸仏の見本は受付にございます。
大本山高尾山薬王院
高尾山薬王院の解説板より