持国天(じこくてん)
よろいかぶとに身をかため するどい独鈷(どっこ)を光らせる
心の悪魔をうちくだき 清らかな社会を守ります
独鈷とは持国天が左手に持っている法具で鉄又は銅製。
増長天(ぞうちょうてん)
剣を手にして勇ましく 無数の鬼をこらしめる
おごれる心をうちのめし 安らかな社会を守ります
増長天の剣を持つ手は持国天と同様左手。特に左手に持つとは決まってはいないらしく、他院では右手に持っている増長天も多い。
門の反対側には向かって右手に広目天、左手に多聞天が配されている。
広目天(こうもくてん)
軸と筆とを手にもって 澄んだまなざしさしむける
広く見る目でしっかりと 大きな社会を守ります
こちらも広目天と多聞天は阿吽の呼吸で我々を見つめている。
多聞天(たもくてん)
宝塔槍(ほうとうやり)を手にもって すなおに耳をかたむける
福徳たちまち集って 豊かな社会を守ります
四天王門を入ってすぐに新しく出来た六根清浄(ろっこんしょうじょう)石ぐるまがあった。石ぐるまの隣に解説の立て札があった。
六根清浄 石ぐるま
懺悔とは、心を迷わせる、貪(自分最優先の心)、怒り、愚痴(諦めたり挫けたりする弱い心)の3つの煩悩を悔い改め、反省の心を起す意味で六根清浄とは、人間の大切な感覚器官を指し、物事を見つめる眼、匂いをかぐ鼻、音を聴く耳、味覚を味わう舌、感触を感じる身、以上の大切な情報を判断する意(心)が清らかになる願いを神仏に祈る意味があります。
懺悔懺悔!六根清浄お唱えしながらお回しいただき、自らの心を見つめ直したうえで、身も心も新たな気持ちで明日からの人生を精一杯ご精進下さい。
六根清浄 石ぐるま解説板より
六角形の石ぐるまの上には人間の大切な6感の文字が書かれている。これをグルグル回しながら「懺悔懺悔!六根清浄」 と唱えるのだが、回り方がガリガリ言っているようだ。もともとなのか一日中回されすぎて中心部が破損したのか、中心部にはベアリングを入れたほうが良いのではないか。
高尾山の天狗さま
高尾山は、昔から神仏のお力に満ちた霊山であり、人々の心のふるさと、祈りのお山でした。
お陽さまの光や、風や雨、草木や沢の水にさえも神仏の尊い教えが示されるとして、山伏が修行を積むお山でもあります。
時には危険も伴う修行の守り神として、高尾山には天狗さまが棲むと信じられております。
そして、天狗さまは、修行を積む山伏のみならず、日々、精進努力をする私たちにも、困難を乗り越える力を与えて下さるのです。
こちらの、威風堂々としたお姿をされる二体の天狗さまは、永和年間に京都、醍醐山より俊源大徳が入山され、高尾山を中興開山されてから630年を記念して、當山第32世貫首、大山隆玄大僧正の発願により平成17年に、国に渡るご信徒の貴重なご浄財により造立されました。
高尾山の天狗さまは、訪れる善男善女を静かにいつも見守っておられます。
大本山高尾山薬王堂
天狗さま解説板より
天狗さま解説板より
向かって右が大天狗、左が小天狗像で中央に石塔形の賽銭箱が立っている。後方の石碑には南無飯縄大権現中興開山六百三十年記念とあった。両像とも時こそ経ってはいないが、実に見事な姿かたちで、時間と供に高尾山の自然に溶け込んでいくものと思われた。