奥の院不動堂と浅間社


高尾山薬王院の最上部にある最後の社が不動堂と浅間社である。

高尾山不動堂


東京都指定有形文化財(建造物)
高尾山不動堂(たかおざんふどうどう)
所在地 八王子市高尾町2177
指定 昭和28年11月10日
薬師信仰と飯縄信仰の霊山として名高い高尾山薬王院有喜寺には、数多くの堂守が建立されています。不動堂は、それらの諸堂の中でも一番奥まった急峻な尾根上に建立されています。もともとは現本堂の位置にあった護摩堂を明治43年頃に移築し、不動堂としたものです。不動堂は宝形造(平面形が正方形または八角形で、屋根面が一つの頂点に集まる建造物)、四周に高欄を備えた縁をめぐらし、東側に桁行一間(2.17m)の向拝を設けています。内部の床は拭板張り仕上げで、正面と両側面側が畳敷となっています。平成13年に修理が完了し、外周の柱・縁・建具等は、彩やかな赤漆の色彩が甦りました。建立年代を示す資料はありませんが、建築様式から17世紀後半頃に建立されたと推定されています。堂内の奥側には、二本の来迎柱を建て、その前に堂と同時代といわれる附の須弥壇が置かれ、室町時代以前の作といわれる「木造不動明王及び二童子立像」 (都指定有形文化財)が安置されています。
平成22年3月 建設
東京都教育委員会
高尾山不動堂解説板より



不動堂は絢爛豪華な飯縄権現堂を見た後ではいかにも地味で、寄って行く人も少ない。寺社側の人間も常駐しておらず正面の扉も閉じられたままである。

注意書きが一枚前面に立てかけてあった。

ご注意書


当山奥之院は中興開山以来高尾山の信仰の根源修験道の根本道場であります。
清浄結界及び文化財保護のため一般者の入堂を堅くお断りいたします。
なお御信徒各位には近辺をふらつきまわる悪質な祈祷業者が出没しますのでくれぐれもご注意下さいますようお願い申し上げます。
またこれらについては、当山とは一切関係はございませんので申し添えます。
当山
高尾山奥之院の注意書きより
具体的かつ強い口調で注意しているのは、十善戎を説く薬王寺にしても捨て置けぬ事態に、直面したのだろう。寒い日に不動堂内で寝泊りする者でもいたのだろうか。


不動堂の裏手に石段があって浅間社がある。

この石碑は平成23年7月建立なので非常に新しい。もう少し寄って行ってくれと言っているようだ。


位置的には不動堂の本殿という位置関係だが、不動堂自体移築した物なので、そういう関係でもないらしい。



浅間社からすぐに扉があり夜間は立入り禁止となって扉は閉まってしまう。


参道には照明などは無いので夜間は真っ暗になって歩けない。冬の日暮れは早いので早めの下山を心がけよう。



しばらく行くと何度も見てきた森の図書館への案内板があった。右手の階段を登る道は4号路へ連絡している。登って行く人もいるので、帰路は4号路の吊り橋を渡って帰ろう、という人達なのだろう。


東京都水道局の高尾山配水所があった。高いところにしか造れない配水所だけに殆んど山頂近くに造られている。これだけの高所ならば八王子市一体に水を供給する事も可能だろう。



紅葉というくらい紅の赤色は青空への映え方が一際違う。


いよいよ山頂に近づいてきた。先の台風で所々工事中の場所がある。先方の坂を登れば山頂だ。


5号路との交差点の道標。