浄心門


吊り橋(みやま橋)から先ほど入った4号路への入口、浄心門の前に戻って来た。

浄心門は霊山への入口なので被写体としても人々を引きつけるのだろう。三脚付きで浄心門をねらう老人カメラマンの方が目に付いた。右足に霊気が乗り移っているようだ。


霊気満山と書かれた巨大額がかかる浄心門。被災地復興、国土安穏の文字が見えるのも、今年ならではの大事で誰もが願うところ。


浄心門のすぐ後ろに神変堂がある。小さなお堂の前には斧を持った善童鬼と瓶を持った妙童鬼が左右に座して神変大菩薩を守っている。鬼の像達は時代を経ているが台座はごく新しい。

神変堂(じんぺんどう)


神変大菩薩は又の名を役の小角、或いは役の行者を申され1300年程前の山岳修験道(山伏)の開祖であります。
役の行者は日本全国の霊山、霊場に修行し、数々の不思議なご霊験を残されました。
ここ高尾山においても諸行成就の御誓願をたてられて御尊像がこのお堂に安置され、多くの御信徒からの信仰を集めております。
「南無神変大菩薩」 とお唱えし、足腰心身の健康をお願いしましょう。
高尾山薬王院
高尾山薬王院 解説板より
「役の小角」 は「えんのおづぬ」 と読む。「役の行者」 の方は「えんのぎょうじゃ」。「役の小角」 は日本中で山に祠でもあると必ず登場する人物で、ここでも日本全国の霊場で修行したと記してある。



寳塔者為修験曩祖神変大菩薩壱千参百年遠忌報恩也
役君聖者 威光自在 仏法興隆 驗門繁栄
と刻まれた神変堂の前に立つ石柱。


神変堂の横に殺生禁断の石碑がある。浄心門をくぐった所からは寺の敷地につき無益な殺生を禁ずるという注意書きのようなもの。当然ながらケンカやゴミ捨てなどの心の隙間にやどる小さな悪行にも心を引き締めなければと思った次第。泣いている幼児を怒鳴りつけている母親がいたが、「これも殺生では?」 と思ったりしたのは年をとったせいなのか。