神変堂を過ぎるとなだらかな道がしばらく続く。右手には小さな紅葉が目を楽しませてくれた。山全体が紅葉ならとも思うが、闇の中の光が美しいように、紅葉とは無縁の杉並木の中の赤や黄は一際人々の目を引くのかもしれない。
南無飯綱大権現の石碑の所で道は二又に分かれている。右が女坂、左が男坂で仏舎利塔のある小山に沿って道が付いている。行き先は一緒なので女坂を進む人が多いようだが男坂も108段の石段さえ登れば平坦な道が続いている。
こちらは女坂で平坦なためか圧倒的に人が多いようだ。男坂を登った後に携帯酸素ボンベを使用している人も見たのでここで無理をする必要はない。
男坂の方は108段の石段を恐れてか少し人が少ないようだ。私は標高が見る間に上がっていく石段が好きなのでこちらを進むことにした。
石段に登る手前の修行大師の石像の横に百八の石段の説明板があった。
百八の石の階段
この石段は百八段あります。
百八とは、人間の限りない悩みや苦しみの煩悩を意味するものです。
ご本尊様の加護により、かかる苦しみ悩みを踏み越えるよう、一歩ずつ
「なむ、いずなだいごんげん」 と念じながら、この石段をお登りください。
大本山高尾山薬王院
百八の石段前の解説板より
百八の石段前の解説板より
石段を登りきれば道は平らになっている。右手の石段を登っても仏舎利塔に行けるが、このまま石碑が並ぶ参道を進み、女坂との合流地点から仏舎利塔の方に行く事にする。
数え切れないほどの石碑が道に沿って置かれている。字が読みにくい石の横にも、それぞれ立て札が付いているので判りやすい。