「フルサト」by ハイフェッツ


第20章 沖永良部島を旅して③


(2007年4月25日)

 二日目。早朝から現場に行き作業を開始します。Wさんと良いコンビメーションでさくさくと仕事を進めていきます。

 Wさんは先へ先へと話を展開させて理解するのが得意で、まさに打てば響くといった対応にはいつも助けられます。ただ普段はビジネスライクなお付き合いばかりでしたので、今回の出張で多少とも親しくお話できたのも収穫でしたか。

 夏川りみという歌手について尋ねましたが、「聴いたこと無いですね」と。でも、涙そうそうは知ってるね、と聴いても「あまり音楽聴かないので・・・」まあ、仕方ないかなと。でも前日から車中で流していたミュージックは皆、夏川りみのヴォーカルだと伝えると、少し感心した様子。

 残念ながら音楽の話では盛り上がることはありませんでしたが、Wさんが大変な古代史ファンで色々な本を読み漁っていることが分かりました。古代史なら私の守備範囲。この話題では大変盛り上がりました。大変なインスピレーションを受けました。これも今回の旅行の成果といえるでしょう。

 沖永良部島は二等辺三角形の形をした周囲が40kmほどの本当に小さな島です。車で40分ほどで一周してしまいます。ですから「ああ、ここは島なんだ」と実感することができます。

 たった二日間の滞在でしたが、この島に存在するものがとてつもなく大きく大切なものであることを感じ入る旅行でした。美しい自然、海、鍾乳洞。歴史から学ぶことのできる交流の大切さ、ゆっくりと流れる時間、そして太陽の恵み、満天の星、そして天の川。

 夏川りみの歌う琉球の歌が心の中で渦巻きます。夏川りみが心で歌う琉球の歌はいい。沖永良部も今は鹿児島県ではありますが、歴史的には琉球の文化の影響を色濃く受けた土地であり、その心は今も島民の生活に多くを残しているように見受けられます。島民にとって夏川りみの歌はどのように感じられるのでしょうね。

 その島とも、まもなくお別れです。

「涙そうそう」をカーステレオで聴きながら沖永良部空港に向けてレンタカーを走らせました。

沖永良部島を旅して


夏川りみさんと遊ぼう