「フルサト」by ハイフェッツ
第19章 沖永良部島を旅して②
(2007年4月22日)
沖永良部島での仕事はすべて屋外での作業となります。少しの作業の後、翌日の仕事の段取りを済ませ軽く打ち合わせをしてお昼を食べて、この日の仕事はそれで終わりです。たったそれだけ?と思われた方はお忘れですね。ここは沖永良部島で時期は9月です。昼間は暑くて全く仕事になりません。何しろ屋外なので。昼食後にドライブです。観光です。他にすることありませんし。
西郷隆盛が島津藩主に嫌われ島流しにあい軟禁されていたとされる場所を訪問したり、沖縄以上とも言われるサンゴ礁の海を泳いだり。人が多すぎて辟易する海水浴場でなく、自然の中で思わず顔がほころんでしまうような心地よい海でした。楽しく過ごしました。
この島は、産業としては畜産業とサトウキビがしっかりしているため、観光客誘致には積極的ではありません。したがって非常に落ち着いた静かな町という印象でしたが、素晴らしい海と自然と空に囲まれたある意味楽園ですね。
夕食はホテルのレストランで。沖縄料理を期待したのですが、普通の和食でした。唯一沖永良部らしかったのは、沖永良部に住むエミューというダチョウに似た飛べない鳥のタタキが出たことでしょうか。Wさんは美味しそうに食べましたが、怖がりの私は、焼いてもらいました。
さて、レストランのBGMは「涙そうそう」「花」「島唄」「サトウキビ畑」「芭蕉布」などが延々と流れていくのですが、それがオルゴールの音色なのです。夏川りみの歌唱で聴く場合に比較して、素朴で曲の骨格のみでの表現ながら心を打たれます。特に「芭蕉布」が秀逸でした。情景がぱっと心に浮かび、切ないような懐かしいような想いに包まれます。
「海の青さに 空の青」ではじまる歌詞が心に浮かび、情景が広がります。
食事を終え、土産物屋をまわりました。会社の人間用に買うものはWさんに任せて、私は好き勝手に見てまわりました。
そして、発見!芭蕉布!
さすがに大きなものは高額すぎて大きいものは買えません。それでもせめてもの記念にと想い、購入しました。芭蕉布で製作された小さなランチョンマット1枚。一万2千円なり。ほのかに黄緑がかった落ち着いた色合いに自然と伝統的な格調の高さを感じます。やっと手に入れることができました。ほほに軽く当ててみますと、その肌触りはごわごわしておらず、母のような女性のやさしさに包まれるがとし。ホテルへの帰り道、夏川りみの「芭蕉布」が心の中でリピートします。
・・・我した島沖縄
ホテルの部屋で夜食にサーターアンダギーを食しながら芭蕉布を時々ほほに当ててその感触を楽しみます。あのキャビンさんのことなどに思い巡らしながら6個も食べてしまいました。
・・・我した島沖縄 沖縄