久里浜港の南西に東京湾フェリー乗り場がある。川崎と木更津を結ぶフェリーはアクアラインの開通で無くなってしまったが、久里浜と金谷を結ぶフェリーは健在である。ちょっと寄り道をしていく事にする。
フェリーのターミナル。何時からだろうか、空中の屋根付き廊下でフェリーにそのまま乗り込めるようになっていた。
かなや丸が久里浜港のフェリー乗り場に係留しようとしていた。実は東京湾の入口は思いのほか狭まっていて、船でポンポン進んでも30分ちょっと位で千葉の金谷港に着いてしまう。
フェリーに寄り道をしたので県道212号線ペリー通りに再び出て先を急ぐ。
トンネルの手前に東電の横須賀火力発電所がある。これも横須賀風物百選の一つとなっていた。
横須賀火力発電所
昭和52年市制施行70周年記念 横須賀風物百選
この発電所から送り出される電機の量は、年間130億キロワットアワーです。発電所から送り出される電気は高圧線を伝って、三浦半島一円に送電するとともに、京浜工業地帯の電気を賄い、それは神奈川県内で使う一年間の電気量の30パーセントにあたります。さらに、送電線は対岸の姉崎や富津などの火力発電所ともつながっています。
敷地の周囲は約4,1キロメートルで、そのうち海に面した部分が約2,4キロメートルあり、広さは焼く71万平方メートルに及びます。仮に、この敷地内に野球場を造るとすると、東京ドームが約18個できます。
この広大な施設の工事は、昭和32年に海面を埋め立てて敷地を造成することから始まりました。埋め立てに使った土の量は約350万立法メートルで、霞ヶ関ビル(地上36階)の約7杯分です。その土のうち約3分の2は、この背後の山を崩して使い、残りは久里浜湾の底をさらった土などをあてました。
そして、そのときどきの世界最高水準の技術を設備を取り入れながら、昭和45年に建設工事は完成しました。
左手に見える大きな長い建物の中には、蒸気タービン発電機が8台備え付けられています。燃料は、原油でも重油でも使えるようになっており、また石炭と重油を混合した燃料(COM)を使える設備もあります。
煙突は、集合煙突といい、幾本もの煙道をそれぞれにまとめて一本の煙突としたものです。このほかにも、窒素酸化物を処理する排煙脱硝装置、硫黄酸化物を処理する排煙脱硫装置、ばいじんを除去する集じん装置などの環境対策設備を設置しているほか、硫黄分の少ない重油や原油を使用するなど、環境対策に努力が払われています。
東京電力横須賀発電所前 横須賀百選解説板より
中には入れないので外から眺めるだけの風物百選である。原発事故以来元気の無い東電だが火力発電所の重要性が再認識されたところなので、止まったりせず明かりを届け続けてほしい。
横須賀発電所を過ぎると道はゆるやかな上り坂になる。生化学工業を過ぎればすぐに千駄ヶ崎隧道がある。
この千駄ヶ崎隧道を抜ければ金田湾に出てペリー通りも終わりになる。