江の島縁起絵巻第五巻



第一段
慈覚大師は弁才天のお告げを周囲に話して立派な社殿を創建しました。
これが上之宮です。(現在の中津宮)

第二段
元慶五年二月(八八一)安然和尚は慈覚大師の旧跡を訪ねます。
江の島に至った安然和尚は修行を積むと七月一五日未明弁才天が現れました。

第三段
正治元年(一一九九)慈悲上人良真が江の島来島。千日修行ののち建仁二年(一二〇二)七月一五日未明、聖天島に弁才天が現れ山頂の社殿の荒廃を嘆きました。
良真は感激しお告げのとおりに社殿を再建しました。
元久元年二月(一二〇四)良真は宋に渡り慶仁禅師の教えを受けました。
慶仁は江の島の北にある無熱池の蝦蟇石がすべての妨げになっていると教え、これに向けて社殿を建てる事を伝えました。
そして良真に地鎮の石を授けました。
良真は帰国の途につきこのことを将軍に伝え下之宮を創建しました。
(下之宮は現在の辺津宮)
建永元年七月上旬(一二〇六)遷宮が行われ以来、国土は安穏繁栄しているのです。
第4段(詞のみ)