江の島展望塔(灯台)物語



2003年4月29日リニューアルオープンしたサムエル。コッキング苑の中にある新展望塔。江ノ島電鉄(株)の開業100周年記念事業として建て替えられました。


旧江の島展望塔

江の島マニアック
江の島の植物園の中に展望塔が作られたのは昭和25年(1950)。
昭和24年(1949)に江の島弁天橋が掛けられたのに続いて翌25年戦時中二子玉川にあったパラシュート練習塔を江の島の灯台として移設したものです。

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江の島の展望塔はもともと灯台として作られたので、最上階にはこの様な回転するライトが設置されています。
普段は役目を終えているため点滅する事はありませんが、展望塔のライトアップの時のみ点滅して、かつての勇姿を表します。




昭和23年架橋工事中の江の島弁天橋。


昭和24年の写真で江の島弁天橋完成後間も無いもの。


昭和25年頃展望塔完成直後の写真。写真手前右は片瀬側の海岸展望台。


昭和25年頃展望塔完成直後の写真。

旧展望塔と旧江の島植物園

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江の島植物園の歴史は明治二年にイギリスの貿易商サムエル・コッキングが来日しその後、江の島神社の供御菜園を洋式庭園の形式で造ったのが始まりです。

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この写真がサムエル・コッキング氏で、彼の奥様は日本人であったが、島の子供たちが植物園内に柵を登って遊ぶと真っ赤な顔をして追いかけて来たそうだ。草花を愛する気難しそうな風貌だが、盆栽を愛するどこかのオヤジと共通するものがあるのだろうか。もっともコッキングはこの15,060㎡の植物園を作るために現在の金額で数10億円をつぎ込んでいたので盆栽オヤジと同列に論じては気の毒かもしれない。江の島植物園は、その後所有者が転々と変わり昭和24年(1949年)藤沢市によって一般開放されました。

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現在、園内には江の島の温暖な気候で育った熱帯の植物が多く育っています。



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公園内の小道は本物の熱帯の様。
江の島がかなり温かい所だと判ります。

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園内には小動物園や小さな熱帯植物温室と遊園地もあり子供連れにも楽しい場所となっています。280種800本の椿も有名。江戸系の椿が主流で秋から春先にかけて咲くので冬場の色彩の少ない時期に実にあでやかである。

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左の写真は江の島植物園のベンチからの景色で橋の真正面に植物園があることが判ります。

昭和24年藤沢市によって植物園が一般に開放されると同時に江の島弁天橋が開通し、翌年展望塔が完成するなど江の島は美しい景色とあいまって観光地として、もてはやされる事になります。

2002年の植物園と展望塔の改修工事の際、地下わずか30cmからサムエル・コッキングの作った温室設備が発見された。発見されたのはれんが造りの温室(約六百六十平方メートル)の基礎部分や地下水槽、貯炭庫、ボイラー室、温室などをつなぐ地下通路など。
地下水層にためた雨水をボイラーで温め温室内に回して冬季の暖房設備にしていたものでその規模は国内最大級。温室を作ったのは1885年(明治18)とされる。


旧江の島展望塔からの眺望

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江の島の頂上という他には無い完全360度で景色を見渡せる展望塔は、鎌倉から逗子、葉山、三浦半島、城ヶ島、伊豆半島、真鶴、箱根、富士山、藤沢と一望に見渡せる圧倒的な景観で我々を魅了します。

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運が良いと写真の様に富士山を眺めることが出来ます。土地の古老の話ではかつて富士の見える風景は日常のものであったが、現在では冬か朝方しか見えなくなってしまったと嘆いていた。

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写真は3月の非常に風の強い日に風が雲を吹き飛ばしてしまい運良く見ることが出来ました。



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この灯台も老朽化が進み取り壊しが検討される段階となってしまいました。
しかし、一度でもこの眺望を味わった人なら誰でも残念に思うでしょう。

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大展望塔は今や江の島の象徴ですから補修、再建等何らかの形で残して頂きたいと思います。

他の場所では絶対見られない海、山、川、町、そして太平洋から富士山まで一体の大パノラマを是非ご覧下さい。

江の島大展望塔ぐるっと360度大パノラマ


灯台の灯を消さないで・・・

「市民主体のまちづくり実験室」社団法人 藤沢青年会議所

灯台としての役目は終わり現在では展望塔としてのみの役目を全うする江の島展望塔ですが、老朽化して建て替えの時期が迫っています。
建て替えの予算も今現在付いていないそうで、近い将来撤去される可能性もあります。

社団法人 藤沢青年会議所は「灯台の灯を消さないで・・・」の思いを込めて1999年11月7日(日)「いいじゃん江ノ島JYAN JYAN 祭り」を開催しました。

「私達が力を合わせれば、どんな事だってできるんだ。」ということを、体験を通して我々の夢、まちのエネルギー、そして、未来を担う子供たちへの贈り物にしたい。
 我々のまちは、「自己責任と自覚」のもと、我々でつくっていきたい。
そして、皆さまと共に創るまちづくりに、ぜひ、ご協力をいただきたいとの願いでイベントは開催されました。

いいじゃん江ノ島JYAN JYAN 祭り

事業内容 :イベント名称:①内容、②参加方法、③協賛方法、④場所、⑤備考

展望塔ライトアップ:
① 展望塔をライトアップ、展望塔からの夜景を見ることができる②③電球購入 \1,000- / 1個④江ノ島展望塔

おね貝(お願い)事業:
① はまぐりにお願い事を書いて、龍恋の鐘にぶら下げると恋のお願いがかなうというもの。②当日参加、③なし、④二見館跡地(受付場所)

フリーマーケット:
①一般参加によるフリーマーケットの開催、②参加費 \1,500- /ブース、③なし、④二見館跡地⑤実行委員会の作成するアンケート用紙を配布・回収していただくことを参加条件

屋台村:
①屋台村、②参加費 \5,000- /ブース、③なし、④江の島北緑地⑤実行委員会の作成するアンケート用紙を配布・回収していただくことを参加条件

ステージ:
①湘南のミュージシャン他出演、②③広告協賛(ステージ脇広告掲載)、④江の島北緑地、⑤なし、
スタンプラリー:
①江の島内の名所・史跡めぐり、江の島未来の絵コンテスト②当日参加(無料)、③なし、④受付場所/二見館跡地
1999年10月20日~11月6日(AM10:00~PM8:00)
藤沢駅での電球受付ブース



 1999年11月7日(日)「いいじゃん江ノ島JYANJYANまつり」当日午後6時、大勢の観光客・市民の見守る中、江の島展望塔ライトアップ大作戦が決行され、市民ひとりひとりに購入いただいた約3800個の電球に灯がともり、江の島灯台がみごとにライトアップされました。

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写真は2000年のライトアップの様子。


江の島展望塔からの眺望は本当に素晴らしいものです。
空気さえ澄んでいれば夢のような大パノラマが楽しめます。
もっと高い展望施設は数多くありますが、
江の島展望塔の眺望は江の島だけのもので
何物にもかえがたいものです。

江の島展望塔は老朽化のため
取り壊しが検討されていましたが、
新しい展望塔に建て替えられる事が決定しました。

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植物園の改修工事と遺跡発掘調査により樹木がなくなったため完全なお姿を現した江の島展望塔。この展望塔も建て替えの運命です。

2002年4月より江の島展望塔の建て替えと植物園の改修に伴い、建て替え工事に入る前に遺跡の調査が始まった。
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江の島頂上部の遺跡は約9,000年前の縄文時代前期の遺跡と推定され、土器、石器、礫など1万点あまりが出土しています。

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新らしい展望塔は上に行くほど広がる不思議な形。
末広がりでなく上広がり。
見た目の安定性は悪いがまさか倒れる事も無いでしょう。
風水上はどんなものなんでしょか?

写真は2003年6月に完成予定の新展望塔の完成予定図。

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新展望塔の建て替え工事の途中新旧二本の展望塔が建つ風景が見られました。

工事自体は非常に迅速にあっという間に建てられた印象です。
新展望塔の建った後、旧展望塔が壊されるのもあっという間でした。
長谷工の実力を見た思いです。


2003年4月29日に完成Openした新展望塔。
景色にとてもマッチしていると思います。

江ノ島電鉄(株)様。
Thank you very マッチ