マテガイに対面
2004年5月の連休も過ぎた頃の大潮回りにまた出かけました。干潟に出てみると、あちこちに大きなマテガイがニョキニョキ刺さっています。引き抜いてみると熱射病死寸前?の状態。潮溜まりにも死んだばかりのマテガイが散見されます。干潟でマテガイを初めて目にして興奮しました。居るなら採れる筈。
そして見てしまったのです。家族連れで賑わう干潟から離れ、沖合いに出現した干潟に貼り付いた数名のグループを。近くまで行くと、何やら様子が違うのです。一言も発せず黙々と砂を掘っています。小さな鍬の様なもので砂を5センチ位剥がし、スプーンで塩を振り掛け、マテガイを引き抜いています。引き抜いたマテガイを素早くアイスボックスへ収容しています。アイスボックスも木製でニスを塗ったマニアックなものと見受けました。プロかなあ?
この日は見学だけに終わりました。シオフキにも手を出しませんでした。
帰宅途中100円ショップで以下を購入しました。
道具を揃えて
園芸用の小さな鍬の様なもの2本
ケチャップ等を搾り出すポリ容器2個
アイスボックスに収まる四角いザル1個
これで二人分
早速、翌日勇んで出撃と相成りました。
干潟に小さな穴がある所にしゃがんで、数センチ砂を剥ぎ取ります。(この時は何故砂を剥ぎ取るのか解っていませんでした。)穴にポリ容器から塩を振り掛けます。10個くらいの穴に挑戦し、やっとマテガイが出現しました。なんともユーモラスな出現の仕方です。「と、とったー」思わず歓声を上げました。家内が寄ってきて、「ホントに採れるんだ」と驚いています。
この日は結局二人で2時間ほど掛って、30本位でした。
砂を剥ぎ取る理由
次の大潮回りにまた出かけました。気がついたのですが、初めからあいている穴は、蟹かシオフキが殆どです。穴の周りに砂が盛り上がっているのはマテガイではないようです。 表面から数センチ砂を剥がした時、長楕円形の穴が見つかります。これがマテガイの穴です。だから、初めから開いている穴に拘らず、ともかく砂を剥がしてみるのが秘訣です。潮が引いた時マテガイの穴も塞がってしまっている事が多いようです。
この日はなんと1時間あまりで二人で50本位採れました。それも10センチ位の大きいのばかり。
2004年初夏の頃、人工なぎさの様子を見に行きました。干潟には大きなマテガイの殻が散乱し、試掘してみると、飛び出してくるのは3センチ位のマテガイばかりでした。
また来年来ようねと家内と話しあいました。
2005年2月のある日、人工なぎさへ様子見に出かけました。干潟に人影はなく、沖にはり出した石垣で牡蠣を採っている人が10人ほど居ました。マテガイを試掘してみましたが、未だ小さいのばかりでした。
そして今年
待ちに待った2005年4月10日(今年は土、日の大潮が少ないですね)満を持して出漁です。公園は桜が満開という事もあり、大変な賑わいでしたが、人工なぎさは風が強かったせいもあり、さほどの混雑ではありませんでした。去年見かけた干潟にニョキニョキ刺さっていた瀕死のマテガイは居ませんでした。何故か塩をお見舞いしてからマテガイ出現迄幾分時間が掛かりました。原因は解りません。家内と二人で2時間ほどしゃがみ、8~10cmサイズを40本ほどゲットしました。魚つりのように、マテガイと多少の駆け引きをするところと、砂抜きをしないで済むところが、気に入っています。
未ださほど気温も高くないのですが、収穫の持ち帰りは気を使い、つり用のアイスボックスに少量の氷を入れ、古新聞を敷いた上にプラスチックのザルを置き、ここにマテガイを入れています。マテガイはアサリやシオフキと違って、殻が完全密閉できない構造になっているのでどうも弱いようです。気温が上がってくると、歩留まりが極端に悪くなります。本日は死貝ゼロでした。
そして食べ方
まったく砂を呑んでいないので、軽く水洗いするだけで調理出来ますが、体内に東京湾奥の海水が残っていますので、アサリの砂抜きと同じように塩水に半日ほど漬けて入れ替えます。(笑)あとは適当に料理して終わりです。我が家ではバターでにんにくを良く煎り、マテガイを投入。殻が開くのを待って、醤油、酒、オレガノを振りかけて出来上がりとしています。
2005年4月17日・マテガイおじさん