コテでマテガイ捕獲


道具選び

マテガイの獲り方に関しては、アサリなどの貝が少ない場所で砂の表面を削る方法はいくつかあります。
良く知られているのはジョレンで表面を平らに削って出てきた穴に塩を入れるというものです。海岸によっては理屈に合った方法ですが、ここでは小型のコテを使った方法を御紹介します。

砂を削るのに適した道具は身近で色々見つかるのですが、とりあえず使えそうなものは安いものですので全部買い求めて使ってみました。
 
草取り用のカマ(左)と小型ジョレン。カマは危ないので刃を研いで丸めて使いました。


中型のジョレン。アナジャコ獲りにも使えます。

そしてこれがお好み焼きのヘラです。当然ですがゆっくりと曲げて角度を変えています。100円ショップで300円でしたかね。結構危険ですので布などをかぶせてゆっくりやりました。もし曲げるときはパキーンといくかも知れないので本当に注意してください。

私はお好み焼きのヘラを使っていますが、最初から曲げてあるヘラをどこかで売っていないでしょうか。
他にも移植ゴテとかチリトリとかも使えそうです。身近なもので何か見つけてください。


穴の掘り方

使い方はマテガイの穴を探しながら砂穴の斜面を45度見当に削り進んで行きます。
マテガイの穴は小指が入るくらいの大きさで、ともかく真っ直ぐ下に伸びていますので、スパッと斜めに穴が見えたら、もう少し表面を削ってみます。下にそのまま伸びているようならマテガイの穴ですので塩を入れてみます。
穴が横に曲がったり広がっているようなら、それはボケジャコなどの穴ですからパスしてください。
マテガイの穴をのぞくと海水が少し見える位の深さが塩が入れやすいです。この水深を削り具合で調整できるのもこの方法の長所です。
マテガイはすぐ隣を掘っても出なくなる事はないので、塩を入れたらただ待っていないで隣を遠慮なく掘り次の穴を探します。

マテガイ用の塩の選択

マテガイの穴に入れる塩は特にマテガイ用というわけでは無く、普通に売っている料理用の塩を使います。ただし色々売ってはいますが、マテガイ採りに向いている塩と向いていない塩があります。


ポリビンの細い口から流れ出る塩はサラサラしているものが適しており、ちょうど砂時計の様に途切れなく流れ出すものがマテガイ採りには適しています。
すぐに湿気を吸って塊が出来るような塩は口に詰まって流れなくなるので避けるようにします。途中でビンを振ったりするような事では、マテガイの穴に集中的に塩を入れることが出来ません。
大物のマテガイの大きな穴にはビンの口を動かさなくても塩が真っすぐ流れ出て、穴の下まで落ちていく様にするとマテガイが出てきやすくなります。

一応何処でも簡単に手に入れることが出来るマテガイ用の塩をご紹介しておきます。


左がイオンで売っているTOPVALUの塩で国産と書いてあります。値段は現在一袋90円です。袋の中は空気が抜いてあり、結構長期にサラサラの状態を保ちます。非常に小さな穴からでも塩が詰まる事は無くマテガイ採りには一番にお勧めの塩です。

右は業務スーパーで売っている塩で発売元は神戸物産、つまり業務スーパーです。こちらは中国製で値段は一袋69円です。こちらもイオンに負けず劣らずサラサラと流れ出ます。

どちらも店に置いてある塩の中では一番安い塩で、砂浜にばらまき易い値段です。高級な塩はしっとりしたものが多く、マテガイ採りには向いていません。

長く置きすぎて塩に塊が出来るような場合は、塩だけを鍋に入れ熱して箸で混ぜながら水分を飛ばすとサラサラになります。


マテガイの穴に砂糖を入れてみました

https://youtu.be/A_J2AiYGe8o

マテガイは穴に塩を入れると飛び出してきます。では砂糖ではどうなのか、実験をしてみました。

ビデオ1(編集しています)

ビデオで見ていただくのが一番判りやすいと思いますので、ごらんください。
このビデオは編集しています。(1分26秒)

ノーカットビデオ

こちらのビデオはノーカットで砂削りからマテガイ抜きまで一連の手順を固定カメラで撮影しています。(2分27秒)

マテガイの穴を正面から

マテガイの穴が正面から見えて判りやすいビデオです。2つ目のマテガイは殻に手が当たって2度と出てきませんでした。おおらかなマテガイも手が当たるとさすがに危険を察知するようです。(30秒)



マテガイに逃げられたら

マテガイが顔を出してもすぐに潜ってしまったときは非常に残念です。ただ、相手は賢そうでもしょせん貝。
ちょっと考えると、マテガイは斧足を伸び縮みさせて出たり潜ったりしている事に気づきます。つまり、一度に出たり潜ったりするストロークは斧足の長さまでと決まっているわけで、穴の奥深く潜ったように見えても、斧足の長さ(せいぜい10cm弱)しか動けません。もう一段潜ろうと思えばもう一度、足を長く下に伸ばして先を穴の横に張って引っ掛け足を縮めるという作業をする必要があります。
つまり、潜られた直後であれば、指を突っ込んで少し掘るとマテガイは捕まえられるというわけです。このあたりがアナジャコやエビ、カニなどとは違ってマテガイの限界かな?


マテガイの穴を探していると、海でなくても、夏のこんな穴も気になったりします。雨が降った後、朝になると土の上に、こんな穴が沢山開いています。そんな日は朝からやたらうるさいので、すぐに分かります。そうです、セミの幼虫の出た穴です。マテガイよりは一回り大きくてアナジャコよりは小さい。塩を入れても中には何もいませんが。