立石


秋谷海岸の先の立石の姿が大きくなってきた。

右手の細い道を行くと再び国道134号線に出るのでそのまま行けば立石公園に出る。


立石に寄ってみると立石の先に梵天の磯と呼ばれる少しは知られた釣り場が見える。まあ、磯が低いので小物の釣り場だが環境が良いので人気がある。後方の松の木は立石ではなく梵天の磯に生えているもの。


国道134号線に出る道は住宅地の中を抜ける小道だが、他に道は無い。


国道134号線に出るとすぐに県立立石駐車場の標識が見える。ここからの海側が立石公園で立石を望める国道134号線から海側を公園として整備している。手前左はヤマト運輸の研修センターの建物。

横須賀風物百選 立石


昭和52年市制施行70周年記念 横須賀風物百選 立石
波打ち際に空に向かって突き出ている巨石を「立石」 と言い、同時に、この付近の地名をも立石と呼んでいます。
この巨石は、約2500万年前、海底に積み重なって出来た地層が固まって、長い間、波に削られてできあがったものです。地質は凝灰岩で、高さ約12メートル、周囲約30メートルです。
「立石」は、奇石としての価値よりも、「立石」の先に張り出ている「ぼんてん」と呼ばれる岩場と、そこに自生する松、さらには海をはさんで、丹沢・箱根・伊豆の連山や、その上に浮き出た富士の借景により絵画的な構図に真価を見いだせます。伊勢の二見が浦の夫婦岩の同じことで、二つの岩を結ぶしめ縄と、その間から昇る真紅の朝日があって、初めて夫婦岩が生きてきます。
江戸時代の風景画家、初代安藤広重は、ここ立石の絶景を「相州三浦秋谷の里」と題して描いています。
この「立石」の風景は、空気の澄んだ晩秋から冬にかけてが最高です。この季節になると、アマチュアカメラマンが「立石」に落日のかかるのを辛抱強く待ち構えている姿を多く見かけます。
立石公園解説板より
解説板の後方の盛り土は富士山を模した富士塚だろう。立石と富士山を組み合わせたくても現在では富士山が望める日はごく限られる。昔から簡単に登れなかった富士山の代わりに小さな富士塚が各所に沢山作られた。庭などに小山でもあれば99パーセントそれは家主が富士山を模して造ったものと思われる。


立石を見るなら午前中だろう。逆光で立石のお姿がはっきりしない。立石を見ていた70歳の男性が話しかけてきた。少年の頃はこの海で良く遊んだがその頃に比べると立石の姿が変わったという話だった。当時は上部がもっと平らだったというのだが、なにぶん少年時代の記憶だし2500万年の歳月の中で、たかだか60年程でどの程度侵食されるかは疑問だったのだが、明治時代の立石の写真でもあれば探してみたい。


湘南国際村秋谷入口から葉山方向を眺める。道のはるか先に長者ヶ崎の姿が見える。


11月なのに今年は暖かい。この石段のしたの岩場に水着で体を焼いていた若者がいたのには驚いた。確かに今日は上着は要らない。