横須賀風物百選 立石
昭和52年市制施行70周年記念 横須賀風物百選 立石
波打ち際に空に向かって突き出ている巨石を「立石」 と言い、同時に、この付近の地名をも立石と呼んでいます。
この巨石は、約2500万年前、海底に積み重なって出来た地層が固まって、長い間、波に削られてできあがったものです。地質は凝灰岩で、高さ約12メートル、周囲約30メートルです。
「立石」は、奇石としての価値よりも、「立石」の先に張り出ている「ぼんてん」と呼ばれる岩場と、そこに自生する松、さらには海をはさんで、丹沢・箱根・伊豆の連山や、その上に浮き出た富士の借景により絵画的な構図に真価を見いだせます。伊勢の二見が浦の夫婦岩の同じことで、二つの岩を結ぶしめ縄と、その間から昇る真紅の朝日があって、初めて夫婦岩が生きてきます。
江戸時代の風景画家、初代安藤広重は、ここ立石の絶景を「相州三浦秋谷の里」と題して描いています。
この「立石」の風景は、空気の澄んだ晩秋から冬にかけてが最高です。この季節になると、アマチュアカメラマンが「立石」に落日のかかるのを辛抱強く待ち構えている姿を多く見かけます。
立石公園解説板より
立石を見るなら午前中だろう。逆光で立石のお姿がはっきりしない。立石を見ていた70歳の男性が話しかけてきた。少年の頃はこの海で良く遊んだがその頃に比べると立石の姿が変わったという話だった。当時は上部がもっと平らだったというのだが、なにぶん少年時代の記憶だし2500万年の歳月の中で、たかだか60年程でどの程度侵食されるかは疑問だったのだが、明治時代の立石の写真でもあれば探してみたい。
湘南国際村秋谷入口から葉山方向を眺める。道のはるか先に長者ヶ崎の姿が見える。
11月なのに今年は暖かい。この石段のしたの岩場に水着で体を焼いていた若者がいたのには驚いた。確かに今日は上着は要らない。