カガミガイ超人の

カガミガイの砂は何処にある 2


カガミガイの調理実践編

串焼きの下拵え
まずカガミガイを剥き身にしなくてはなりませんが
(注)カガミガイの裁き方は貝柱の力がかなり強い事から
なれないと非常に危険です。
なにしろあのぶ厚い殻を自分で割るくらい超強力。ヒェー。
カガミガイの貝殻を細工したナイフが貝塚から発見されるという位
凶器にも細工可能なほど立派な硬い貝殻です。

しかしこの筋肉質の歯応えがぐっと酒の肴にピッタリなんです。

「口の中で溶けそうですね」などという情けない言葉が
美味しい事の代名詞になってしまった
ベビーフード並みの物しか食べつけていない軟弱アゴ現代人には
なんとも抵抗感バリバリのカガミガイです。

是非、カガミガイに挑戦していただき
赤ちゃんから100歳まで楽しめる史上最強のアウトドア「潮干狩り」を
満喫していただきたいと思います。

上の写真の様な専用の貝剥き器が無い場合はバカガイと同様に
軽く茹でて口を開いたところで冷水につけ、
身を取り出す方法を強くお勧めします。
絶対に包丁など使われる事のない様。
貝剥き器はスーパーに無ければ釣具屋さんにあります。


殻の取り方は、左の写真の右斜め上から、貝剥き器を無理矢理押し込む様にして刃を差込み右側(写真右側のほぼ中心の位置)貝柱を切る様にして右側の貝柱を切ります。

片側の貝柱が切れると、少し口が開きますので、貝の上ブタに沿って貝剥き器を左側にずらして
左側の貝柱を切ります。  
これで、貝は完全に口を開きますので、上ブタ側を取り去ります。 (完成図:左写真)

 砂の犯人は、外とう膜と思われる部分とえらで覆われており、えらと思われる部分を取り去ると、左上の写真の右側の部分の貝柱の根元にあり、丁度内臓への入り口に位置しております。  ここでは、この犯人を”砂肝”と呼んでいます。 この砂肝を取り去る事がおいしくいただくコツです。



  味の決め手は日本酒  
貝の剥き身を日本酒(またはみりん)につける。 
これは、貝特有の生臭さを取るために行います。   

竹串に刺します  
入水管から竹串を入れ、足を最後に刺します。
(逆でも可)  この2つの部分が筋肉質で、この方が、
外とう膜(ひもの部分)を竹串に巻き付けやすい。

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写真は、焼く直前です。

アドバイス
①醤油は焼きながらつけていった方が、おいしく焼けると思います。
②砂肝を取り去った後は、水で丁寧に洗い、
水分を拭き取った後、お酒(またはみりん)につけると良い。



同じ事をバカガイでもやってみました。

  
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カガミガイの砂の位置はわかったので、バカガイの砂はどこにあるのか?
の疑問で、バカガイをカガミガイと同様の方法で裁いてみました。  
答え: 外とう膜の内側が殆どでした。
(砂を吐かない訳だ。)  

裁き方:手順なんてものは要らない状態で、手で持っても、
口を開いていますので、(さすがバカガイ)
貝柱のある位置に貝剥き器を差込み片側の貝柱を切ります。
この時 バカガイは始めて危険を感じたのか、(鈍い奴)
時すでに遅しで片側が閉められない状態になります。
この状態で、殻に貝剥き器を沿わせて反対側の貝柱を切れば片側の貝殻が取れます。
あとは、カガミガイと同じです。


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5月2日に採種したバカガイですが
バカガイは産卵期の様で、卵巣と精巣がパンパンでした。
”産卵期”の貝の内臓をたべるな!との祖母の言い付けどおり、
すべて取り去ってありますので、
串に刺してあるのは、俗に言う アシ(べろ)、ひも、入水管の部分です。
カガミガイは産卵期でない様ですので、
砂肝以外は全部食べてしまいました。
(今朝も快調ですので、大丈夫です。)

今回の串焼きは、焼き立てを食べるのが最高にうまいです。
焼きながら食べることを推奨いたします。

それと、裁き終えた殻と内臓(砂肝)はすぐに捨ててください。
アシが早いので、台所ににおいが残ってしまいます。(経験済みです。)