遠州灘のコタマガイ


静岡県の遠州灘方面で、当地ではハタミと呼ばれるコタマガイが沢山獲れているという話を聞き6月5日に出陣。
埼玉のカガミガイ超人に横浜の我が家で拾って頂き、一路遠州灘を目指します。

曇りで何時ポツポツ来ても良いような天候。おまけに波が2.5m~3mの予報。季節外れの台風の影響で潮位も高めで超最適ではないのですが、カガミガイ超人の 「この位なら大丈夫」 という言葉を信じての出陣です。

途中の由比では道路の端にすぐ海があるので、海の様子を見てみます。


水深もあるのですが、テトラポッドのせいか波もあまりなく、遠州灘も大丈夫かもと期待を持たせる海の様子です。

まあ、晴れ男が二人揃っているので大丈夫だろうと話しているうちに車窓から遠州灘が見えてきました。遠くに見えるあの橋の先はあこがれの遠州灘。

この後、当地の案内をしてくださるT氏の家に到着。

お話を聞くと最盛期は過ぎているが、まだまだ獲れるとの事。期待を持たせてくれるではありませんか。

ハマグリが混じることもあるそうで、獲れたら嬉しいですネ。

さて、3人で一緒に海岸に出ることにします。海は波はありますが、貝を獲るには問題ない程度で、この波を利用してコタマガイを獲る方法も勉強しましたので後ほど。

浜名湖方面を眺めてみます。平日ということもあって人出は少ないです。海の公園の混雑を見慣れている目からすると、衝撃的な風景です。




遠州灘の砂浜では、08年現在、貝を獲る制限は無いそうで、カイマキにも制限は無いそうです。

ただし、規制のウワサは絶えないようで、将来的には貝獲り器具や貝の大きさに、何らかの規制がかかるのではと思われます。

当日私が使用したのは釣具の上州屋で買い求めた網付き忍者クマデ。

膝下まで海に浸かって掘ったりしているうちに、地元の人たちが虫取り網のようなものを振り回しているのを確認。

つまりこの人たちは波で打ち寄せられたコタマガイを、波が引く前にサッと網で拾い上げていたのだ。

結局、この方法が一番効率が良いことを発見し、私もこの網クマデで転がるコタマガイを拾い上げる方法に変更。

そして、絶好のポイントがカイマキマンが活躍している場所の波打ち際で、カイマキマンが砂をかき混ぜた際に、砂から出されたコタマガイがコロコロと波にもてあそばれて打ち寄せられてくる間にすばやく拾い上げる訳です。

いわば、重労働をカイマキマンにまかせて、転がってきた新鮮なコタマガイを網でかすめとるコバンザメ獲法です。

周りを見るとカイマキマンの近くにはコバンザメのオバチャン達が寄り添っていて、なるほど考えることは一緒だわいと親近感を覚える瞬間です。

まあ、遠州灘のカイマキマンは、禁止と判ってやっている横浜のカイマキマンとは違って、人相、人品とも、まったく違うので、一緒に仲良くコタマガイ獲りをやっているという風情でしょうか。

でも、コバンザメの方があまり沢山獲ったりしたら、ちょっと気は引けます。


さて、そのうちカイマキマン達が帰り始めました。カイマキマンがいないと自分で掘らなければいけないので、足でコタマガイを探す方法に変更。

小さな砂粒の海岸ですので裸足で大丈夫。裸足の方が貝を探すときは探しやすいので、裸足で歩き回ります。貝を見つけやすいのは海底に段が出来ている部分。その丘の部分を歩くと、足の沈み方が大きいので、貝が当たるとすぐにわかります。
貝殻の事もありますが、大体コタマガイをゲットできます。
当日は10個程を足裏でゲットしました。
コバンザメ獲法に比べると効率は悪いですが、楽しい方法です。


さて、何だかんだでコタマガイも沢山獲ったので潮干狩りも終了。色々な色があってアサリのようですが、表面がツルッとしているところはハマグリのよう。

大きさがわからないので私の手に乗せてみました。

なかなか大きいんですよ、これが。

完全にハマグリの大きさです。厚さが薄くて平べったいので、波にもまれやすいのでしょう。

コタマガイが足を出している所はナミノコやフジノハナガイの巨大版という印象。もちろん、図体がでかいので、素早く砂に潜る芸当は出来ませんが。

貝は網に入れたままクーラーに入れて持ち帰りました。当地の海水もたっぷり持ち帰ったので砂抜きをします。

コタマガイの水管は体の割りに細くて笑えます。ヒモが二本出ている感じで、アサリのように力強くは無いです。

5時間ほどで砂は抜けたと判断したので、水から上げて放置しておきます。体内の塩水を吐かせるためと、アサリのように美味しくなるかもという期待からです。

後で食べてみると砂は殆ど抜けていました。持ち帰るときに水から出してクーラーで持ち帰ると貝が痛まないので、砂抜けが良いのはアサリと同じです。


さて、小型のものを選んで、お味噌汁に煮てみると殻の色が落ちて、アサリのように全部茶色になりました。

ナミノコやフジノハナガイはハマグリのように、煮ても殻の色は落ちませんので、コタマガイの中身もアサリっぽいのでしょうか。

いえいえ、コタマガイの身はとてもハマグリに似ています。

香りの少ないハマグリという印象です。逆に言えばクセがないので非常に食べやすいです。

大型のものを酒蒸しにもしてみましたが、とても美味しく料理方法は色々ありそうです。

沢山獲ったので、殆どは冷凍で保存しました。口を開けるかも試しましたが、熱湯にそのまま入れるか、酒蒸しの場合は酒を熱くしておいて凍ったまま入れる事で口は問題なく開きました。

その後、しばらく冷凍を続け3ヶ月後に食べようと取り出したところ、殻の表面がポロポロと落ち始めているのを発見。その殻の破片は固いのでそのまま調理するとジャリジャリきます。そのため、いったん口を開けた後、身だけを取り出して殻の破片を取り除いてから食べる事になりました。どうもコタマガイの冷凍は1ヶ月程度までが良いようです。アサリは殻はポロポロとはこないので数ヶ月でも大丈夫ですが、色々と発見はあるものです。

注:コタマガイは遠州灘一帯で獲れるようですが、禁漁の場所があるかも知れません。当日地元の方に御案内して頂いた場所は、トイレも監視員も人家も無い場所ですので、公開すると不測の事態も考えられます。大都市の海浜公園とは違いますので、詳しい場所の公開は差し控えさせて頂きます。