プレゼンテーションそのⅩⅩⅩⅤ(35回)現代の作品


2006年10月13日(金)
会場/東京文化会館小ホール
主催:音楽文化協議会



プログラム

1.L.マトウシェク ・ ヴァイオリンとピアノのための「ソナタ」
ヴァイオリン・篠崎功子
ピアノ・中野洋子
2.(故)松葉 良 ・ 「無伴奏オーボエのためのパルティータ」
オーボエ・原田知篤
3.安生 慶 ・ 「風の荒野Ⅱ」 -ビオラとピアノのために-
ビオラ・大島 亮
ピアノ・(未定)
4.藤田耕平 ・ 「樹」(改訂版)
ピアノⅠ・井上郷子
ピアノⅡ・横島 浩
5.寺内園生 ・ 「Clear」
ピアノ・中野洋子
6.森山智宏 ・ 「恋の主題による三つのデッサン」
テノール・谷口洋介
ヴァイオリン・江副麻琴
ピアノ・森山智宏


作曲家プロフィール

■L.マトウシェク(Lucas Matousek)は、1943年プラハで生まれ、プラハ音楽院で指揮をヤナーチェク、作曲をフーラに学び1967年に卒業。その後、電子音楽をチェコラジオ局で学び、1975年まで作曲をカペラーチに師事した。さらにブルノやロンドンでも学び、2000年~2006年にはプラハ交響楽団の監督(プログラムディレクター)をつとめ、プラハ音楽アカデミーでも教鞭をとっている。
彼はクラリネット奏者でもあり、中世の古楽器にも通じ、「アルス・カメラーリス室内楽団」の創設者・指揮者としても知られている。

■松葉 良(19191年~2006年)
 松葉は1919年東京で生まれ1940年青山学院大学卒業後,日大芸術科で学び,作曲を池内友次郎と貴島清彦に師事した。立軌会々貝として画壇において も活躍し,詩情に富む色彩豊かな作品は広く注目されている。彼はヨーロッパの古典的伝統に根をおろしながらも,大胆に現代的な技法をとり入れて,独特の風 格をもつ抒情性豊かな音楽的表現をつくりだしている。主要作品には絃楽のための「詩曲」,「主題と変容」,交響詩曲「心象風景」,交響詩曲「祈りの叫び」 (NHK委嘱),「弦三重奏曲」,「オーボエのためのパルティータ」,「ヴァイオリンとヴィオラのためのパルティータ」,「ヴァイオリンとチェロのための “コンポジション”」,「無伴奏チェロのための作品第1番」のほか劇音楽,バレエ,映画音楽などがある。

■安生 慶
安生は1935年東京に生まれ、成城学園より桐朋学園音楽科に進み、管楽器を専攻。卒業後、作曲を棚瀬正氏に師事。日本現代音楽協会会員。
 主要作品には「風影―二胡とオーケストラのために、ViolinとPianoのための挽歌」、「彩画-ViolaとPianoのための幻想曲」、「弦楽 四重奏曲」、「8 Violaのための詩曲」、「彼方からの風景-Harpのために」、「CelloとPianoとのために(#2)」・「ピアノのための譚詩曲」、 M.Sop.Pfのための「枯野」このほか歌曲「黄泉のくに歌」(詩・花輪莞爾)、および「酒呑童子」(詩・花輪莞爾)、などがある。

■藤田耕平
藤田は1945年横浜で生まれ、1970年東京芸術大学作曲科を卒業した。作曲は池内友次郎と諸井誠に学んだ。
 彼は音の積重ねや淡々と流れる旋律のひびきの中に微妙な音色の変化を追求し、個性的な作品を書いている。
ソプラノとピアノのための「白鳥」は1979年のヴィオッティ国際音楽コンクール作曲部門で1、2位なしの3位に入賞している。「黙示」は1985年2月 サンフランシスコでの現代音楽週間で演奏されると共に、NHK・FMより放送された。また、オーボエ・オンドマルトノ・弦楽合奏のための「時は、雨のよう に……」が1996年春に、ピアノのための「Far away」が2000年春に、それぞれNHK・FMより放送された。なお、ピアノのための「風の道」が、今年12月、プラハで開かれる「日本=チェコ交流 2003」で、ピアノ連弾のための「雪女」が2004年9月、「ドヴォルジャーク没後100周年記念演奏会」で、プラハと、生地ネラホセベスで演奏される。

■寺内園生
ピアノを中野洋子と伊達純に、作曲と和声を寺内昭、川井学に学ぶ。
 寺内は1959年千葉に生まれ、高校卒業後渡独し、マリアフンク女史に作曲法を学んだ。代表作には、既出版のピアノ曲集「氷の城・イリュージョン」「め ざめ・静かな風」「斑鳩」のほか、子供の為のピアノ小曲集として、「メルヘンの国」「小さな夢」「遊園地・宇宙船」(音楽之友社)「動物の大行進」(音楽 の友社・CDフォンテック)「ピアノでひこうグリムのお話」(東京音楽社)「マザーグース」(全音・CDフォンテック)などデリケートな感覚と想像力豊か な抒情的作品がある。
 ヴァイオリン・ソロ曲「アクティヴ」は、1999年2月にNHK・FMより放送された。
 日本作曲家協議会会員及び音楽文化協議会会員。

■森山智宏
1977年生まれ。桐朋学園大学研究科作曲専攻修了。作曲を鈴木輝昭・飯沼信義・北爪道夫、ピアノ・作曲を間宮芳生、ピアノを志村安英の各氏に師事。第3回日本クラシック音楽コンクールピアノ部門(高校生の部)第3位、第68回日本音楽コンクール作曲部門入選、第17回奏楽堂日本歌曲コンクール作曲部門(一般の部)第1位。作品に、「(毛)のモチイフによる或る展覧会のためのエスキス(詩:那珂太郎)~テノールと打楽器の為に」「Let's play a duct for Piano」 など。現在、桐朋学園にて後進の指導に当たる。日本作曲家協議会会員。