江の島には貝がいない。何故?
古くから江の島の人達は貝取りを生業としていたという。
もちろんアワビやサザエなどが主体なのだろうが、地形的にも江の島海岸では潮干狩りが出来そうに思う。しかし、ほとんど貝が居なくて潮干狩りが出来ない。
何故?
一日中スコップで頑張るとハマグリ1個位は獲れる可能性はあるらしいのだが、「それは天然ではなくて誰かが落したか捨てたかしたんじゃないの?」と疑ってしまう。
貝殻は若干落ちてはいるがさほどでもない。ここは海水浴場として発達した海岸なので毎年流れ着くゴミやガラスの破片等を取り除くため大々的に特殊な車で海岸を掃除している。
水質の悪化も関係あるのかもしれない。
片瀬側からの土砂の流入と、大橋を造り護岸を整備する前の江の島と海の流れが違うらしく、年々、片瀬側河口付近が浅くなっているようだ。
そのため、浅くなるたびに掘って船道を確保する工事をしている。
鎌倉時代より続いた、「満潮時には島となり、干潮時には細い道で片瀬側とつながる江の島」が年がら年中つながってしまってはしゃれにならない。
以前、河口でイシモチが爆発的に釣れた年があった。
私も一回の釣行で50匹以上釣ったりしていたが、直後に川を深くする工事が始まり川底を掘り返した。そして翌年からは1匹も釣れなくなった。
やはり貝も同じように人為的な海底の変化に順応出来なかったのだろうか。
海岸を歩いてみると、まったく貝の穴が無い。やはり居ないのだ。
しかし数は少ないがゴカイはいる。釣りの餌はいた。
河口は、冬のハゼ釣りも出来るのでハゼの餌がいるのは当然か。
江の島側では若干のアサリも獲れるがあまり綺麗な場所ではないし、とてもお勧め出来ません。
土地の古老が砂を掘っていたのでバケツの中を見ると袋イソメが入っていた。
釣りの餌に使うそうだ。
弱くて翌日までしか使えないという。
砂浜は完全に死んだ訳ではなかった。