クローズアップ撮影



フィルムからデジタルカメラになって一番手軽に出来るようになったのがクローズアップ撮影だと思います。
普通に売っているデジカメならレンズ前5cm位は簡単に寄れますし、手振れ補正も付いているので昔のように手振れの恐れもなくなりました。

私のNikon Coolpix s10 は古いカメラですが、マクロモード時にレンズ前4cmまで寄れるのと、広角端より2倍強ズームするまでマクロモードが続くというありがたいカメラで重宝しています。
今は広角全盛の上、広角端でないと被写体に寄れないカメラが多いので捨てられません。


これが一番大きく写した状態です。やはりレンズが相当無理しているんでしょうか、定規が歪んで写っています。


カメラの前面にクローズアップレンズを付けて写してみます。マクロモードで最大にして、焦点距離が合う限界までレンズを下げます。


1.5倍程度はある筈なんですが、大した効果はありません。クローズアップレンズを付けても、結局焦点を合わせようと思うと、最大でもこの程度になってしまうんです。


クローズアップレンズの先にもう一つ大きなクローズアップを重ねてみます。


これだけ拡大すると焦点距離が近すぎてレンズを思い切り近づけないと焦点が合いません。


これだけ被写体とレンズが近づくと、横から光を入れるのが大変になります。1cmまで寄れる接写用のカメラがありますが、あれも光を取り入れるのが結構大変なのではと思います。だいたいそんなに近づいたら、像がまともな形をしていないでしょう。


これがクローズアップレンズを2段にして写した写真です。ドーンと大きくなるかと思いきや、ここまで寄るのが焦点距離の限界です。クローズアップレンズを付けても焦点距離は非常に狭まるので、自由に拡大は出来ません。それよりもこれ以上近づくとレンズが被写体にぶつかってしまうのでクローズアップレンズの限界です。


拡大してみましたが光が横から入っているだけなのでこんな写真です。ネジ谷にゴミが付いているのを発見できましたが、使えない写真になってしまいました。生産国は不明ですが、こんな小さなネジでも綺麗に加工出来ているのにも感心しました。
今度はパナソニックのDMC-FT1でやってみます。

DMC-FT1はレンズが飛び出さないので、反射板が無ければもう少し被写体に寄れそうですが、仕様ではレンズ前5cmまでしか寄れませんので、これでちょうどの距離です。


これがマクロモードのワイド端で写した写真。ワイド側が28mmですので中々大きくなっていません。


クローズアップレンズを付けない状態で撮影した写真を等倍で切り出したもの。左がNikon Coolpix s10、右がDMC-FT1。
600万画素のCoolpix s10と1200万画素のDMC-FT1なのですが、Coolpix s10の方が1.6倍大きく写っています。
やはり38mmの広角端から2倍以上拡大してもマクロモードが続くCoolpix s10と28mmの広角端で写すしかないDMC-FT1では、撮影できる大きさに差があるのは仕方ありません。
もともとのネジの色は銀色なのでどちらも嘘です。どちらも照明色の影響とフォトショップ加工の結果です。


DMC-FT1にもクローズアップレンズを付けて撮影してみます。クローズアップレンズにワイドコンバージョンで使ったのと同じアタッチメントを付けます。


上から見るとこんな感じですが、下向きなので指でクローズアップレンズを押さえるのが大変です


苦労の割にはこんなものですが、少しだけ大きく写せました。


クローズアップレンズを2重に付けてもやってみました。指で落ちないように支えるのが大変なのと、手が照明を邪魔しています。


手が邪魔をして光が当たりにくくなった2重クローズアップレンズ付きの写真です。


実はDMC-FT1にはマクロモードで拡大することが出来ない代わりに、デジタルでズームが出来るようになっています。これが中々に便利な代物で複数の撮影で大きさをそろえる場合などに役に立ちます。
クローズアップレンズを2重に付けてデジタルズームで最高の3倍にした、手持ちで最大に拡大した写真です。


ネジだけを切り出してみるとデジタルズームでも結構なクオリティです。


クローズアップレンズを使わずに、デジタルズーム3倍のみの写真。


拡大してみるとデジタルズームがかかっていると一目でわかります。
ということはクローズアップレンズも無駄ではないようです。

もっともこんな小さなネジを写す場面なんか今後も殆んど無いでしょうから、実用的には今のままで充分クローズアップ写真を楽しめると思います。
接写をするときに、DMC-FT1のようにカメラの端にレンズが付いているカメラは、光を取り込みやすくてとてもありがたいカメラです。