江の島縁起について


江の島マニアック
江の島縁起絵巻は江の島の成り立ちとその歴史を文と絵であらわした絵巻物語です。
ここで紹介している江の島縁起絵巻は江の島の岩本院に伝わる高さ33.7cmの全五巻からなる絵巻物でそれぞれ文章による物語の後に文章に相応した絵が続いています。

江の島縁起の原形は平安時代に作られたとされ鎌倉時代に絵が加わり絵巻物になったと考えられています。どちらも原本は無く現存するものはすべて写本です。

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現存する江の島縁起には漢字のみで書かれた江島神社に伝わる「真名本(まなぼん)」と岩本楼(岩本院)に伝わる絵が加わった仮名本とがあり又、これらの写本も存在します。
この現存する最古の江の島縁起絵巻の写本が作られたのは室町時代後期、戦国時代と推定されています。

江の島マニアック
岩本院に伝わる江の島縁起本の一部

これらを作るのには相当の費用もかかったはずで時代背景を考察すれば、弁天信仰により戦勝祈願の戦国武将からの相当の寄進もあったのでしょうか?
時代もたっていますので修復も何度かされたと思われますが、文章と絵が順になっていないところもあります。おそらく修復の再、修復師が貼りあわせを間違えたものかとも思われますがここではそのまま掲載しています。
なお、絵の下にある数字は和紙の張り合わせ部を表しています。

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江島神社に伝わる江の島縁起本の一部
左の絵は真名本(まなぼん)とは別に江島神社に伝わる江の島縁起本の一部で、江戸時代に岩本院の江の島縁起本を写本したものと考えられています。

江の島縁起絵巻は自動で左にスクロールします。
動きを止めると手動でスクロールも出来ます。

江の島縁起の全体写真と物語の内容は2000年11月「企画展 江の島縁起絵巻」パンフレットより  写真撮影:中野萬年氏