音を出さなかったホルン
とある小学校の音楽鑑賞教室での事。いつまで経っても1人来ない。
ホルンの I だ。
家に電話すると、他の仕事に行っていた。
すっかり忘れていたのだ。
仕方なく1人抜きで決行。
木管5重奏を4人で演奏。
誰が見ても変だよね。半分終わった所で I が勝手に電話して頼んだH君、はあはあ言いながら到着。
しかし途中で金ぴかの大きな楽器が加わったら余計目立ってしまう。
ゴメンネ。このまま帰ってくれる?
しかし田んぼのど真ん中の小学校。ホルンのケースを持って黒い服着て帰るH君。
かなり目立ってるんだよね。
武士の情けか、学校側はその事には誰も触れなっかった。すみません。
次回には I に皆で上寿司をおごらせた。
慌て度70% ゴメンネ度100%
それ何の曲?
木管4重奏での事。最初の曲を始めようとしている時、フルートの O とクラリネットの H(金氏では無い)の様子がおかしい。始まってすぐ分かった。
2人は違う曲を演奏し始めたのだ。
すぐにファゴットの K からごまかす為「音合わせ 音合わせ」の小さい声。
オーボエの H 仕方なくプオーと音を出す。かなり恥ずかしいぞ。
他の3人も音合わせのフリ。でも全然ごまかせていない。
ばれてる ばれてる。
それからは声を掛け合って気を付けているんだけれどその後も似たような事が何回かあったかな。
決まり悪い度60%
何吹いてるの
日本一の音響を誇った神奈川県立音楽堂も老朽化激しく、専門のコンサートホールが次々と建てられた現在ではあまり重要な音楽会は開かれなくなってしまった。そこでの演奏会。曲は由良一夫さんの曲。
曲が始まるとどこからか「ピーヒャララ」や「ドンドコドン」と音が聞こえる。
ありゃ。そうか 今日はお祭りだ。隣の広場で盆踊りをやっている。
ステージでこれだけ聞こえるのだから、客席ではもっと聞こえている筈。
盆踊りに気を取られていたが オーボエの H が何か変な事 吹いてる。
数時間前のゲネプロでの事。由良さんから渡された楽譜はスコア。
パート譜なら数ページですむところをスコアだと他のパートも書いてあるので何倍にもなってしまう。
と言う事は何度もめくらなくてはいけない。
そこで各自 自分のめくり易い所でめくれる様に その後 貼り合わせたのだ。
そう その貼る順番を間違えたのだ。
他のメンバーが 皆 H を睨んだ。 さすがの H も気が付いた。しかし 丸々1ページ違う事を吹いてしまった。
ところが、これが新作の良いところ。お客さんは誰も気が付かなかったんだな これが。
皆、盆踊りの笛でも聞いていたのかな。
助かった。フー。
不幸中の幸い度。100%
お葬式
お葬式での演奏の仕事が有り会場に到着。ま、この手の仕事ってのは殆ど無いんですけどね。
式が始まったのに約1名到着せず。ヴァイオリンのK嬢だ。とりあえずいる人だけで演奏。
その内にこっそり入って来た。
周りが異様に静かなので目立ってるゾ。
ケースも誰が見てもヴァイオリンと分かるゾ。
だが それはまだ良かった。
演奏を始めたら前のおばさまが「シー」。
「エエー」ここは主催者と音楽入れると言う約束の場所なのに。
演奏中に「シー」なんて 言われた事無いから皆パニック。
その後は死んだように蚊の鳴くような音で演奏を続けた気の弱い横浜ノネットのメンバーでした。
しばらく後で 他のお寺の仕事に行ったら「最近は音楽葬が流行だしましてね。
うちもやろうかと思ってるんです。ハハハ。」なんて言っている。
そりゃレコードを聞こえるか聞こえないかの音で流すやつでしょ。と天の声が聞こえた様な。
その後さっぱりお願いしますの電話が無いところを見るとあの話は無かった事にして下さいだったんだね。
ショック度80%
無人のタクシー
山形での仕事での事。宿舎を出てホールに向かう。車で40分。そこでオーボエの H 楽器と服を忘れた事に気付く。
確かに荷造りして外に置いたのだけれど。
そうだ 玄関の前に置いたままだ。宿舎は無人 戻る暇は無い。
すぐにタクシー会社に電話し、訳を話して楽器と服を持って来て貰うように頼む。
無くなっていない事を祈るしかない。
かくして無人の超特急タクシーが楽器と服を積んで山形の町を走り抜けたのでした。
演奏会は順序を変えて オーボエの無い曲から始まっていて25分を過ぎた頃到着。
助かったー。
これで泥棒にでも遭えば NG度300%大爆発と言う所だけれど、楽器も戻ってきたんで NG度80%位で勘弁して下さい。
苦しーゾ
木管3重奏での事。モーツァルトのディヴェルティメントのメヌエットの楽章。
メヌエットは、メヌエット、次にトリオ、もう一度メヌエットに戻ると言う順番で演奏する。
しかしオーボエの H はトリオが終わった所で終わったと思ってしまった。
そしてふと前を見るとクラリネットの K とファゴットの K が真っ赤な顔をして楽器をくわえているではないか。
彼らはオーボエが 何時 2度目のメヌエットを始めるか 分からないので 息を吸い込んだまま じっと待っていたのだ。
しかしオーボエの H はまだ気付かない。
楽器を口から放すと後の2人もズルズルとキマリ悪そうに楽器を降ろしたのでした。
おいおい オーボエの H はまだ気付いて無いぞ。
苦しー度100%
裏手
練習の待ち合わせにホルンの I が来ない。その内はあはあ言いながら到着。道に迷ったという。
その練習場所は表の洋菓子店の丁度裏手にあたる。
裏手とは言っても表通りから裏通りに行くには左右からクルっと回らなければならない。
しかし I の話を聞いて皆絶句してしまった。
彼は廻り道をしないで洋菓子屋さんの店の中を通り、喫茶室を通り、お菓子工場の中を通り抜けてきたのだ。
裏といってもそれは地図上の事で人の家だぞ。
漫画では良くある話だが身近にこんな奴がいたとは。
写真撮影
山形演奏旅行の間の日曜日。羽黒山に登る。
頂上で社殿をバックに写真を撮りたい。
近くにいた中年の夫婦に撮影をお願いする。
デジカメで撮ってもらって写真を見ると社殿が写ってなくてバランス悪い。
そこで自動シャッターで撮影。
しばらくしてヴァイオリンのN、「さっきの消しちゃえ消しちゃえ。」
おいN、5メートル後ろにおじさんいるぞ。聞こえてるぞ。
ぜんぜん気づいていません。しょうが無いなー。
その後、昼食にレストランに入る。
席が込んでてありません。やっと見つけて座ると、あれー隣がさっきのおじさんだ。
仕方なく「さっきは写真をありがとうございました。」と言うと、
「そうでしたかねー」としらばくられて、さっさと食べて出て行ってしまった。
わーむかついてる。ごめんね。だって写真下手なんだもの。