静岡県と山梨県が再戦 静岡県のリベンジなるか


第一回で山梨県の勝利となった静岡、山梨の「ほこXたて」富士山対決。その第2回目の対決が行われた。静岡県にとってはリベンジのチャンス。はたして、その行方は。
放映日は富士山が三保の松原と共に、世界遺産に登録されることが決まった直後だったこともあり、普段以上に世間の関心は富士山を向いていた。

対決方法は前回から若干の変更はあったものの、双方の写真をもちより審査員が対決ごとに審査するという形式は同じ。


最初に静岡、山梨両県民へのインタビューで、双方の自信たっぷりの発言で番組を盛り上げる。
今回の準備期間は1年で春夏秋冬の富士山を県民から大募集し、選び抜かれた写真で対決しようというもの。

静岡県と山梨県から撮影した春夏秋冬の写真をそれぞれ2枚ずつ用意して計8枚で勝負をする。先に5勝したほうの勝ちで4勝ずつの引き分けの場合のみ特別な一枚を出し合い決勝となる。


審査員は前回は日本在住の外国人3名だったが、今回は文化人3名。

1人目は下出蒔絵司所3代目・京都美術工芸大学教授 蒔絵師 下出祐太郎氏。

2人目は染司よしおか5代目当主 染色家 吉岡幸雄氏。

3人目は日本を代表するデザイナー 山本寛斎氏。という、そうそうたる顔ぶれ。

今回は第一回の外国人審査員とは違った評価も出るはずなので楽しみだ。

戦いの場所はどちらの場所でも無く、中立の神奈川県箱根の彫刻の森美術館。

全ての戦いに四季のテーマが付けられていて、テーマに沿った写真同士の戦いになる。

第1回戦 春の田園



山梨県忍野村「天狗社」パス亭から歩いて20分ほどのところから撮影された、田んぼに映る逆さ富士。


静岡はJR身延線入山瀬駅から車で20分、富士市北部の大渕で撮影された茶畑の先に聳える富士山。


判定は3審査員とも静岡の茶畑に軍配を上げた。写真の比率が4:3なので風景としては縦に長いため、下部に何を配置するかが難しい。
それにしても、茶畑はあれだけ画面を占拠しているにもかかわらず、まったくうるさくない、写真として稀有の素材だということを思い知らされた。
山梨側からの富士山は整いすぎているため冒険しにくいようだ。田んぼに映る逆さ富士も、湖に映る逆さ富士も見ている側としては同じようなものなので、あと数週間稲が生長した時の逆さ富士も見てみたかった。言っているだけで茶畑に勝てる保障は無いが。

第2回戦 夏の日の出



山梨は山中湖の北側、長池親水公園前バス停から湖の畔を歩い行った場所から移した日の出の赤富士。


静岡は富士宮市北部朝霧公園にあるキャンプ場「ふもとっぱら」で撮影された夏の日の出。


判定は1-2で山梨の赤富士が勝利。日の出としては静岡側も悪くはないと思うのだが、これは私でも早起きすれば撮れそうな気がする。山梨の赤富士は富士山全体が赤く染まって素晴らしい。夕日の方が赤の発色はいいはずなので、日の出の赤富士には驚かされた。

第3回戦 秋の山水



山梨は精進湖の北側にそびえる精進山。この山を一時間登った場所から撮影された秋の富士の勇姿。


静岡はJR興津駅から車で10分 さった峠ハイキングコースを10分ほど登った場所から撮影した海と富士山。


判定は2-1で静岡の勝利。審査員の赤と白のコントラストが秋の山水のテーマにあっていたという評があって、僅差だが静岡の勝利となった。山梨県側は富士山の手前に見える子抱き富士のほか、池のような精進湖やら紅葉やら、てんこ盛り状態で、良く見ればそれぞれ美しいのは間違いないのだが、ぱっと見富士山の手前は名所はどこだ状態のゴチャゴチャ写真。それに比べれば静岡側は手前の真っ赤な紅葉が邪魔をするかと思いきや、道路を隔てた駿河湾の静かな海が画面全体を抑えきって、かえって奥の富士を浮き上がらせている。とてつもなく偉大な海で一本あった勝負。山梨に入った一票はお情けと見るべきだろうか。

第4回戦 冬の自然



山梨側は富士河口湖町にある三つ峠入口バス停から1時間半登った場所から撮影したもみの木と富士山。


伊豆半島北部沼津市井田海岸から撮影された波しぶきと富士山。


判定は3-0で静岡の圧勝。この写真に限らず前回の反省からか、今回静岡側が出してくる写真はレベルが高い。審査員の感想も静岡の写真の迫力に圧倒されたことと、山梨の写真では手前のもみの木に焦点が当たって、富士が添え物になっている、というような感想が述べられる。ここでも偉大なる海で一本あった印象。山梨の写真では、海の代わりに左上の空を大きく取り込めば、ずいぶん印象は変わりそうだが、波しぶきがすごすぎて勝つのは到底無理だったかも。


結果4回の戦いを終わって静岡3勝、山梨1勝と静岡優勢のうちに2順目に突入する。