この地は、もとアシの生い繁る将軍家鷹狩の場でしたが、承応年間(1650年代)に甲府宰相松平綱重の別邸となり庭園として造成され、甲府殿浜屋敷又は海手屋敷と呼ばれました。その後、綱重の子綱豊が六代将軍家宣(いえのぶ)となるに及んで名を浜御殿とし、大いに改修が行なわれ景観を整えました。園内には茶屋・鴨場等を設けるなどして将軍家の行楽や接待の場としてもちいられ、又江戸城の出城としての役目をもっていました。
明治維新後宮内庁所管となり、以降浜離宮と改め、迎賓(げいひん)・謁見(えっけん)の場として大いに利用され、皇室の観桜会(かんおうかい)もしばしば催されました。昭和二十年には東京都に下賜され翌年より一般公開しています。
本園は、広大な池泉に海水を導き、潮の干満によって庭趣に変化をもたせた潮入りの回遊式築山泉水庭(かいゆうしきつきやませんすいてい)で、不幸にも関東大震災や太平洋戦争により建物や多くの樹木を焼失しましたが、お伝い橋のかかる潮入りの池や鴨場等に往時の面影を残しており、江戸時代に発達した大名庭園を代表する貴重な文化財であります。(浜離宮恩賜庭園の入園チケットより転載)
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