TwinVQは何所へ行った


TwinVQ方式の音声フォーマットは我が国のNTTが開発しYAMAHAが協力して広めようとしたNTTのTwinVQプレーヤーやYAMAHAのSoundVQプレイヤーで再生する音声フォーマットです。

1998年頃だったと記憶していますが、試験用として一般にもエンコーダーと共に配布され、圧縮率が高いため、当時主流だったRealPlayerよりも非力な回線でも良質な音が楽しめるとあって、将来が楽しみな再生方式だったのですが、2000年を過ぎたあたりから何故か開発が止まってしまい、その後プレイヤーそのものの配布も終わってしまいました。
2014年現在ではMidRadio PlayerでTwinVQを聞くことが出来ます。 


まあ、音声のフォーマットは全世界に数限りなくあるのでその中で生き残るのは非常に大変です。

さて一般的には、所々古いサイトに残っているだけで新しくVQ方式で音楽を配信しようと思う人はいません。今やわざわざvqfを再生できるプレイヤーをダウンロードしてまで聞こうという人はまず居ませんから、聞いてもらうためには何か他の方式に変換する必要があります。
あのメジャーなFlashPlayerでさえ開発が止まるそうですから圧縮率の高い方式は今後どうなるか安心が出来ません。


元のwavファイルやmp3ファイルが残っていれば何も問題ありませんが、vqfファイルしか残っていない場合はmp3等に変換できるソフトが必要になります。
ただし時が経ちすぎて、2014年現在vqfを読み込める変換ソフト自体がほとんどありません。
それでもいくつか解説にvqfに対応しているという変換ソフトを試して見ましたが出力されたファイルには雑音しか入っていませんでした。

フリーではないシェアウェアのソフトもいくつか試用版を試して見ましたが、やはり変換は出来ませんでした。プラットフォームがWindows7の64bitなので、そのせいかとも思い別の32bitのXPでも試しましたが、やはり成功しませんでした。

それならば

そこで、今ならばvqfを再生できるプレイヤーはまだ幾つか存在するので、デスクトップ上で再生させてリアルタイムに別のソフトで録音すればmp3等に変換出来るはずだと考えやってみました。

まず再生するプレイヤーはYAMAHAのMidRadio Player


もう一つ浜松繋がりでしょうかスズキからTwinVQ Playerがダウンロード出来ます。ただし古いソフトですしYAMAHAの方がファイルのドラッグですぐに鳴り出すので使いやすいです。


そして録音側のソフトはApowersoftフリー音声録音ソフトを使います。このソフトの最高に良い点は、録音ボタンを押しても音が鳴らないと録音も始まらないという点です。つまり録音ボタンを先に押しておいて、プレイヤーの方にvqfファイルをドラッグすると音が鳴り出します。と同時に録音が始まるわけです。そして音楽が終われば録音ボタンが押されていても、無音部分は録音されません。余裕を持ってストップボタンを押して、その後出来たmp3ファイルを保存すれば良い訳です。

このApowersoftフリー音声録音ソフトを使う方法では複数のvqfファイルの変換は出来ませんし、再生時間と同じ時間がかかりますが、vqfをmp3に変換するには一番簡単な方法と思います。音質も違いが判らない位に出来ます。
残念なのは録音保存できるのはmp3方式のみでwavなどには対応していないことです。

どうしてもwavで保存したい場合はMoo0 ボイス録音器を使います。こちらは保存方法にwavとmp3を選べます。ただし、無音状態でも録音してしまうので最後に前後を別のソフトでカットしなければなりません。ファイル数が多かったりすると殆ど無理ですね。

vqf自体圧縮率が高いのでいまさらwavにしたところで音質が良くなるわけもありません。私としては色々やってみた結果、
MidRadio PlayerApowersoftフリー音声録音ソフトの組み合わせをお勧めします。

今更あまり需要の無い話でしたが、助かる方がいらっしゃるかも知れませんのでレポートしてみました。
今後、再生ソフトが無くなる可能性も無しとは言えませんから、vqfファイルのみ手元にある方は、お早めにmp3かwavにして保存されたらと思います。