まえがき
日本人にとって春の行楽といえば何といっても潮干狩り。お花見もあるけれど、桜は一週間ではかなく散ってしまいます。ところが春だけと思われている潮干狩りは、春先から大潮中潮が来るたびに、場所によっては9月までの長期間、春夏秋と3つの季節にまたがって海に入って楽しむ事が出来ます。
そして潮干狩りは公園でシートを敷いて昼食をとるくらいの気軽さでデビュー出来るのです。道具も普通に売っているクマデがあれば十分。アサリを入れる網だってとりあえずは何でもいいわけです。専門の教室に通う必要も、高価な道具を揃える必要もありません。そして年齢も幅広く、1歳の幼児から元気な100歳のお年寄りまで一緒に楽しめる稀有なアウトドアです。これが私が潮干狩りを「史上最強のアウトドア」と呼ぶ理由です。
仲間たちとの潮干狩りはいつも楽しい
何でもそうですが、デビューの時には、多かれ少なかれ参入へのハードルを感じるものです。常連が並んだ釣り場で間に入るのも勇気がいりますし、テニスのサークルに入るのだって勇気がいるでしょう。
砂浜ではいかにもベテランの年配者と収穫に差がつくのは仕方ありませんが、初めての人でも何も獲れない事がないのも潮干狩りの良い所です。
スポーツなどは力量に差があるとなかなか一緒には楽しめないものですが、潮干狩りは経験者でも初心者でも一緒にすぐに仲良く楽しめます。年齢も性別も体力、知識、経験、技量も関係なく、公平平等に楽しむ事が出来るアウトドア、それが潮干狩りなのです。
重い重い、死にそうに重い 頑張れ
そして回数を重ねるうちに、色々な事が判ってきます。アサリの多い場所や採りやすい潮、そして天候。特に潮干狩りには低気圧や強風が大敵という事も失敗を重ねるうちにだんだんと判ってきます。長く潮干狩りを楽しんでいる人たちは、どこにアサリが固まっているか、何処が獲りやすいか、砂の無い美味しいアサリはどうすれば食べられるかなどを、長い経験で知っているわけです。
誰でも簡単に始められる潮干狩りですが、やはり色々と知っておくと、自分なりの新しい次の発見に、結びつくこともあるかと思います。潮干狩りをする前の予想する楽しみや、潮干狩りが終わった後での、美味しいアサリを食べながらの想い出など、是非体験して頂きたいと思います。
大漁の日のアサリは重くても体は軽い
潮干狩りには大した道具が必要ないと言いましたが、何回かやっていくうちに、あった方が良いと思うものも、きっと見つかるでしょう。そうしたらその時に少しずつ揃えていけばよいと思います。何も無くても楽しめる、色々持って行っても楽しめる潮干狩りです。
何回か潮干狩り行った事のある人たちや、今まで一度も潮干狩りをやった事が無い方たちにも、誰でも楽しんで頂けるようなそれぞれの「潮干狩りマニアック」の世界に飛び込むきっかけになれば、これ以上の喜びはありません。
原田知篤(潮干狩り超人)
2023年1月1日
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