海の公園に寄せて


ツメタガイ異常繁殖


 さて、コロナで明けた2020年も7月になり、囲われていた網が撤去されたタイミングで海に出てみましたが、長期間アサリが採られていないので、「さぞかしアサリが残っていて大漁だろう」 という期待は見事に裏切られます。昨年とは一変してウソのような大不漁です。むしろ昨年の名残でアサリが若干残っているだけという印象ですね。私と同じことを考えていた人は沢山いたようですが、誰もが皆けげんな顔で首をかしげています。


駆除した推定600個のスナヂャワン

 スナヂャワン1個に何万だかの卵が入っているそうなので、膨大な量を駆除した計算になります。


ツメタガイの卵塊スナヂャワン

 2020年にはアサリの天敵ツメタガイの卵塊スナヂャワンが増えてきたなと感じていたのですが、2021年には爆発的に異常繁殖し親のツメタガイと、スナヂャワンを海岸中で目にするようになりました。これは大変と個人的にスナヂャワンを駆除することにし、3回程膨大な量を駆除したのですが、広い海に一人ではきりがないので最後は諦めました。ところが不思議な事に翌年はツメタガイもどこに行ったのかと思うくらい激減してしまったのです。





海の公園で繁殖後一年で消えたミドリイガイ

 海は不思議な事が多く、南方系の小さなミドリイガイが大繁殖した年もありました。温暖化のせいかと話題になったのですが、翌年にはすべて消え去ってしまいました。シオフキばかりでアサリが珍しいくらいの年もありましたが、今ではシオフキの方が珍しい位です。

 かつてはよく見かけたカガミガイやバカガイもすっかり数が減ってしまいました。稚貝はたまに見かけるのですが、大きくはなれないようです。2022年には前年から気配はあったマテガイが大発生し、穴に塩を入れる人が激増しました。ちょっとしたマテガイフィーバーです。


2022年はマテガイフィーバーの年でした

 ただしマテガイは海が大きく引く日しか出来ないので、潮干狩りの日程が制限されます。

 北米原産の外来種ホンビノスの稚貝を、海の公園でもたまに目にするようになったけれど、ホンビノスはもう少し奇麗で無い場所で増殖している印象があります。大繁殖するには海の公園は砂も水も奇麗過ぎる気がしますね。

 潮干狩りでアサリが採れない日は悲しいけれど、他の貝が採れればそれなりに楽しめるかも知れません。毎年、今年は何が採れるかなと前日に想像するのも、楽しみの一つかなと思います。これで海岸の北側でもアサリが採れるようになれば、言うことは無いのですが。

 これからの海の公園も、ずっと今までと同じように、色々な種類の貝や魚で、いつでも来場者を楽しませてほしいと思います。


原田知篤(はらだともあつ)

潮干狩り歴70年
史上最強の潮干狩り超人サイト開設26年
(株)横浜シーサイドライン潮干狩り広報部長
横浜海の公園親子教室講師としても活躍中


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