アナジャコ48手
きまり手は48?
アナジャコは各地方で様々な捕り方があるとされ、その数は相撲の決まり手になぞらえて、48手あるとも言われています。実際は面白おかしく言われているだけで、そんな数は無いと思いますが、筆釣り以外では一番ポピュラーなのは友釣りです。
穴を掘って逃げようとするアナジャコ
アナジャコの友釣りとは
東京湾でアナジャコを獲っている人の大多数はこれです。本物のアナジャコを使いますので相手の反応はファイト満々、筆の比ではありません。
オトリの尻尾に洗濯バサミを付けて穴に潜っても、体全体は潜りきれないようにします。穴の住民が追い出そうと上がってくると、2匹がガチャガチャバトルを始めますので、オトリを少しずつ引っ張り上げます。穴の住人の方は勝ちを意識して上がってきますので、オトリの顔の先を3本指で囲みます。
下のアナジャコとオトリがハサミを使ってチャンチャンバラバラを始めたら、オトリを少しずつ穴から出すようにします。エモノの方は喧嘩に夢中でハサミを穴から出してきます。そこで穴に添えていた指をすぼめてアナジャコのハサミをつかみます。喧嘩に夢中になったアナジャコは人間の指が添えられている事を気にしません。
一連の動作で当然オトリのハサミも掴んだりして痛みますので、数匹で取り替える必要があります。
アナジャコは食べる前に真水で泥を吐かせないと泥が体内に入っている事がありますが、弱ったアナジャコは当然泥を吐きません。
私が見たところ、友釣りの場合3分の1は犠牲者が出ています。
アユに比べて呼び方は同じ友釣りでも、ちょっと割り切れなさの残る獲り方なんです。
やはり筆釣りは日本の伝統文化である毛筆を使うという事と、泥出しの為にもアナジャコが痛まないという、究極の風流じゃないんでしょうか。
アナジャコの砂出し
アナジャコは一般的に市場に出回ることは殆どありません。味に難があるわけではなく、美味しい獲物だと思いますが、干潟の泥の中深くに棲んでいるため漁業として成り立つ程は、安定的に量が採れないのが理由です。また仲間同士喧嘩をするくせに体は弱く、すぐばててしまいます。アナジャコの大半はクーラーボックスに入れても、家に着いた時には死んでいるでしょう。本来なら、一昼夜泥を吐かせるたい所ですが、実際問題難しいと思います。弱ったアナジャコは置いておいても砂は吐きません。
一番良い方法は、少し多きめの水切りバットを干潟に持ち込み、海水を入れて獲ったそばから、アナジャコを元気なうちに入れて泥を吐かせることです。完全ではありませんが、アサリの様なガリッとは来ないで、ちょっと泥臭いなといった位の印象です。頻繁にバットの海水を替えてやらないと温度が上がって弱ってしまいますし、弱れば泥も吐きません。どこまでも面倒なやつです。
海の近くで獲ってすぐに泥を吐かせて提供出来るような食堂でしたら、美味しいアナジャコも食べられるのでしょう。
アナジャコの唐揚げ
アナジャコは殻も柔らかいので、油で揚げるとハサミも殻も足もそのまま全部食べられます。エビやカニに近い味で美味しく食べられます。足も殻も全部食べられるので、意外とボリュームがあって5匹も食べると、結構十分な量です。マヨネーズと相性の良い味です。
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