殻頂部は殻の厚さが薄い

アサリの殻には年輪が付いている
アサリなどの二枚貝は中の身は大きくなりますが、殻は全体がふくらむように大きくなるわけではありません。毎日、殻の外周に炭酸カルシウムを塗り付ける事で殻を大きくしていきます。
子供の頃の殻はそのままで、周りに殻がどんどん建て増しして行きますが、一見巨大建造物に見えても、最初の殻は小さな頃の弱い殻のままという事です。

家でも海水に付けておくと足をビローンと広げるツメタガイ
この薄い殻の部分をツメタガイは狙い撃ちして穴を開けます。このアサリの一番薄い殻の部分でも、貫通するには丸1日かかると言われています。アサリを大きな広がる足でがっちり抱え込み、ちょろちょろと酸を塗って殻を柔らかくしたのち、少しずつやすりのような歯で削っていきます。まさに元祖ピッキング野郎です。ツメタガイの毒牙にかかった、穴の開いたアサリの殻を見ると、自然界のおきてとはいえ、我らがアサリちゃんをよくもやってくれたなと、腹の底に燃えるものがあります。
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