先端部分は自切する




自切する部分は何段にもなっている

 マテガイは水中の塩分が濃くなると、慌てて出てきます。マテガイの先端は魚や鳥などの敵から襲われたときに自切(じせつ)して敵に与え、本体は潜って逃げるという、トカゲのしっぽ切りの様な部分ですので、慌ててここをつかんでも逃げられます。自切する部分は数段になっていて複数回の攻撃に対処できるようになっています。殻がしっかり上に出てから硬い殻をしっかりつかんで下さい。

 この写真のマテガイは上に出ているほとんどが自切する部分で肝心の殻は下の方に少しだけしか見えていません。ここでつかんでもマテガイには逃げられます。




まさに切れ落ちそうなマテガイの先端部分

 そもそも、塩で何故マテガイが出て来るのかという話には諸説ありますが、出方を見ていると好奇心というよりは危機感で、慌てて出てくるように思われます。というのは実はマテガイだけではなく、殻の閉じ方の甘いバカガイやシオフキも、穴に塩を入れると慌てて砂の上に出てくるのです。ナメクジに塩をかけると縮むように、マテガイも海水より濃い塩分濃度になると体内の水分が出ていく危機感で、出て来るのだと思われます。


小さなマテガイは飛び出て来る

 マテガイの両端は筒状に空いていて塩の洗練をもろに受けます。特に体力のない小さなマテガイは、穴から飛び出してきます。ちなみにナメクジも貝の仲間で、退化した貝殻が体内に残っています。

今がチャンス



ここまで出れば大丈夫

 ここまで出たらつかむチャンスです。殻をしっかりつかんで引っ張り上げて下さい。マテガイも抜かれてたまるかと足を踏ん張って頑張るかもしれませんが、無理やり引っ張り上げると足が切れてしまいます。足はマテガイの美味しい部分ですので、駆け引きをしながら足ごと引っ張り上げて下さい。


マテガイの大物で知られる新舞子潮干狩り場


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史上最強の潮干狩り超人