アサリの塩抜き




バットザルをバットから上げて塩抜き

 砂抜きをした直後のアサリは、まだ海水を体内に沢山含んでいます。このままですぐに調理をしてしまうと、何も調味料を加えなくても、すごく塩辛い料理になってしまいます。塩気が足らない時は足せば良いのですが、塩辛くなった料理はどうしようもありません。豪勢にするつもりで、アサリを沢山使った場合などは、なおさら注意が必要です。

 そのために砂抜きの後には、必ず塩抜きが必要です。塩抜きと言っても簡単で、海水からアサリを上げて、室内に1時間ほど置いておくだけです。

 この際に体内の海水をピュッ、ピュッと周りに飛ばすので、布巾や新聞紙などをかぶせておきます。アサリは結構1メートル強くらいは簡単に塩水を飛ばしますので、周りに飛び散らないように注意が必要です。魚介類は夏場は腸炎ビブリオなどの、食中毒の原因になる菌を持っていることがありますので、アサリを生で食べる事はありませんが、周りの包丁や皿などにアサリの吹いた海水が付かないような工夫が必要です。そのためにも必ずアサリの上には、何かを被せておいてください。




 部屋に置いておく時は何かを敷いて、上には新聞紙などをかけて周りに海水が飛ばないようにします。海水は水管から吹き出しますので、思う存分海水を吹かせてやりましょう。塩辛い料理にならないためにも最高の塩抜きになりますように。

 塩抜きも体内の海水を吹き出しますので、アサリにもパワーが必要です。弱ったアサリは海水を吹き出す力も残っていませんから、塩が残ったままの塩辛いアサリになってしまいます。塩抜きまでアサリのパワーを維持するためにも、持ち帰りにはクーラーボックスをお使いください。しっかり塩抜きまでやって砂抜きは完了です。

 この段階でアサリ全体を眺め、口が半開きのまま閉じないアサリがいたら、触ってみて下さい。反応して口を閉じてくれれば大丈夫ですが、半開きのまま反応が無いアサリがいたら、容赦なく捨てて下さい。これは持ち帰り方が悪かったのでも、砂抜きが悪かったのでもなく、最初から弱っていたアサリです。もし、こちらに落ち度があるとしたら、もっと沢山のアサリが弱っている筈です。弱ったアサリが混じると、料理の味は弱ったアサリの香りになってしまいますので、必ず外してください。弱ったアサリは口の閉じ方が甘くなるため、殻と体の間に砂が入り込みやすく、体内の砂も吐きませんので、その点でも必ず見つけた段階で外します。


丸ザルでアサリを洗う様子

 アサリの塩抜きが完了したら、殻の外側に付いた塩分も洗い流します。アサリを適量ずつ丸ザルに入れ、流水で洗います。この状態で冷蔵庫や冷凍庫での保存が可能になります。

 でももう少し待ってください。体内の塩は抜けたはずですが、そのままもう少し室内に置いておきましょう。学習院女子大の品川先生がおっしゃておられるのですが、アサリを水から上げて置くと、アサリは殻を閉じてじっと我慢を始めます。ここでアサリは自分で体内にうまみ成分であるコハク酸を作り始めます。3時間まではコハク酸を沢山作りますが、以降は緩やかになるので3時間で十分のようです。私も試しましたが、圧倒的な味の差があった事をお伝えしておきます。アサリの香りと味わいが倍増、いや3倍増の効果がありました。

潮干狩りソング第25弾 潮干狩り時代

https://youtu.be/tcoA7QWJMhs

遠い昔の潮干狩り。小さかったあの頃の潮干狩り。


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史上最強の潮干狩り超人