アサリは砂より軽い




砂をかき混ぜるとアサリは浮いてくる

 アサリの殻は炭酸カルシウムで出来ていて結構な重さがあります。アサリを持って帰る時には、石と水を持って帰るようなものですから大漁なら体にこたえるでしょう。それに砂抜き用の海水も持って帰ってくれという話ですから、潮干狩りも重労働です。そのアサリですが、実は身の入っている生きたアサリは、干潟の砂よりは軽いのです。その事を利用してアサリを採る方法があります。海水が少しある場所でないと出来ませんが、干潟の砂のなるべく広い面積をクマデで掘ってかき混ぜます。そのままじっと待っているとアサリは砂の上に浮いてきます。少し波がかかる場所ですと、もっとはっきり上に浮いてきます。つまりアサリと砂がかき混ぜられた結果、砂は下に沈殿し、相対的に軽いアサリは砂の上に出てくるというわけです。大きなアサリも小さなアサリも関係なく浮いてきます。その際中身の入っていない貝殻はうまい具合に浮いては来ません。

 アサリは足を延ばしたり縮めたりしながら上手に砂の下に潜ります。それに比べると上がってくるのは体の構造的に苦手です。わざわざ砂の上に出てくる必要もないのでしょうが、海水が満ちていればゴソゴソ動くだけで、体の軽さで少しずつ上に浮いてくることが出来ます。逆に体が砂より重かったら大変です。じっとしていたら波などで揺れるたびに、どんどん砂の中深く潜ってしまう事になりますから。



アサリは広くは動けない



アサリは瀬の陸側に引っ掛かりやすい

 アサリは砂に潜ることは出来ますが、砂浜を広くエサを探して自分で動き回ることは出来ません。クマデで掘り返されたなどの何らかの事情で、砂の上に転がったアサリが、波でコロコロ転がり、盛り上がった場所に引っ掛かり、その場所に潜るくらいの移動がせいぜいでしょう。盛り上がった砂地に引っ掛かるような場所は、エサの有機物などの浮遊物も集まりやすい場所ですので、アサリにとっては都合の良い場所とも言えます。その場所でアサリは砂の下から出している水管で海水を取り入れ、栄養となる有機物を吸収して生きています。

アサリのいる深さは



干潟の断面 アサリはこんな上にいた

 アサリは浅蜊と書くくらい浅い場所にいます。水深が浅い場所という意味もありますが、砂のすぐ下という意味もあります。
深く掘っても殻ばかりで、生きたアサリは意外と浅い場所にいるなと感じた事はあるかと思います。


外から海水が流れ込む場所は液状化式アサリ捕獲法のチャンス

 アサリは寒い時期には寒さをしのぐため砂の下深く潜り、あまりエサも取らずじっとしています。春先の潮干狩りシーズン当初には、アサリは思ったより深く潜っていることが多く、クマデで探ってアサリが見つからなくても、もう一段深く掘る事でアサリを採る事が出来る事が多いのです。

 それも関東では3月初旬までで、4月5月とアサリは砂の上近くまで上がって盛んにエサを採るようになります。年末まではアサリはどんどん大きくなります。

潮干狩りソング第15弾 子猫の潮干狩り

https://youtu.be/Wx53NGYEIZk

水が嫌いな子猫の気持ちになって潮干狩り。


    10  11  12  13  14  15  16  次へ


史上最強の潮干狩り超人